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[ SF/ファンタジー ] 空中鬼・妄執鬼 鬼シリーズ |
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高橋克彦 | 出版月: 2014年02月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
日本経済新聞出版 2014年02月 |
No.1 | 6点 | メルカトル | 2021/01/17 22:31 |
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闇に浮かび上がる五つの生首。陰陽師の弓削是雄を悩ます怪異は、やがて残虐な殺人事件として都を騒がし始める。空を自在に駆ける鬼の哀しき正体を描く「空中鬼」に、人間の欲と執着に取り憑いた鬼との死闘の果てに、新たな闘いを予感させる「妄執鬼」を加えたオリジナル文庫。
『BOOK』データベースより。 読む順番を間違えて間の『長人鬼』を飛ばしてしまったので、途中で仲間に加わったらしき温史って誰?ってなりました。失敗しました。シリーズ物はこういうところを注意しないといけませんね。しかし、読み始めてまった以上やむを得ず最後まで読みました。まあ結果的にはそれほど障害にはなりませんでしたのでそれはそれで良かったのですが。 今回は中編二作の構成。どちらも陰陽師弓削是雄とその愉快な仲間たちが検非違使庁と連携しながら、奇怪な事件を解決すべく鬼退治を画策していきます。『妄執鬼』は政(まつりごと)が絡んでちょっと人間関係がややこしいですが、ファンタジー、エンターテインメントとして十分に楽しめました。特に是雄の陰陽師としての技量がずば抜けており、決して安陪晴明にも引けを取らない活躍を見せ付けて読み応えがあります。それだけではなく、適度なユーモアや涙を誘うシーンなどもあり、良い意味で平安時代の出来事とは思えない臨場感に溢れています。 一応本作でシリーズは止まっていますが、今後も続編があるぞという事を暗示しており、新刊が期待されます。第一弾では様々な陰陽師が登場していますが、作者はその中でも弓削是雄が気に入ったらしく、その後は主役を務めており、その人間性は時に厳しく時に優しく、軍団とも言える頼もしい仲間たちを束ねています。それぞれの個性を生かしてバランス良く描かれているのにも好感が持てますね。 |