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[ SF/ファンタジー ]
白妖鬼
鬼シリーズ
高橋克彦 出版月: 1996年10月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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講談社
1996年10月

日本経済新聞出版
2013年12月

No.1 7点 メルカトル 2020/11/15 22:33
物狂帝と呼ばれた天皇が十七歳で譲位し、内裏の陰陽寮から各地に派遣された術士たちは解任され、謎の烏天狗に襲撃された!陸奥で異変を知った陰陽師・弓削是雄は、数奇な運命に導かれた仲間とともに都をめざし、人心を操る鬼との死闘を繰り広げる。胸躍る歴史伝奇長篇。
『BOOK』データベースより。

これは面白い。鬼シリーズ第一弾『鬼』は五人の陰陽師が登場しましたが、本作はその中の一人陰陽寮を免官された弓削是雄が主人公です。まるで桃太郎さながらに、三人と一人の「鬼」をお供に引き連れて鬼退治に向かう至って単純明快なストーリーです。郎党の甲子丸、何かしらの能力を持っている知恵遅れの蝦夷の子供淡麻呂、土蜘蛛の生き残りで盗賊の女首領芙蓉丸、最後に加わる髑髏鬼それぞれが個性的に活き活きと描かれていて躍動しています。勿論主役の弓削是雄は言うまでもありません。

最後の最後まで飽きさせず読ませるリーダビリティは素晴らしく、見たこともない平安の時代の景観が目の前に現れたような臨場感に溢れています。果たして鬼の正体とは?そしてその鬼は誰に憑いているのかという謎が中心にあり、更に最後の対決まで様々な実在の人物が絡んできて、その意味でも十分に楽しめます。これはシリーズ第一弾よりもパワーアップしている印象で、高評価に繋がりました。期待以上の面白さでしたね。


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高橋克彦
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