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[ SF/ファンタジー ] 僕の小規模な自殺 |
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入間人間 | 出版月: 2013年12月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 1件 |
KADOKAWA 2013年12月 |
No.1 | 5点 | メルカトル | 2020/11/28 22:48 |
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しがない大学生の俺のもとに、未来からの使者が来た。ただしその姿はニワトリだったが。そのニワトリが言う。『三年後に彼女は死ぬ』と。「彼女」とは、熊谷藍のことで、俺のすべてだ。その彼女が、死ぬだって…?だが机をつついてコケコケうるさいそいつはこうも言う、『未来を変えろ』と。どちらも真に受けた俺は、病魔に犯されて死んでしまうという彼女のために、三年間を捧げる決意をする。そして俺は、彼女の前に立ちこう言った。まずはランニングと食事制限だ!
『BOOK』データベースより。 懲りずに入間人間。『花咲太郎は閃かない』で懲りたはずなのに、何故か読みたくなる入間です。これは例えてみれば知る人ぞ知る『笑う犬の生活』の小須田部長の最終話にニュアンスが似ている気がします。スケールは大きいですが、結局人間ドラマに終始している辺りがですね。シチュエーションは若干違いますが、方向性に共通点があります。ただそれぞれの立ち位置は真逆ですが。 『小規模な自殺』というタイトルは即ち人類の滅亡を意味しており、その中に主人公の「俺」が含まれている訳です。その代わり彼女はただ一人助かるのです。その彼女が病死(しかも未知のウイルスによる!)しないようにまずはひ弱な身体を鍛えることから始まり、動物に成り代わった未来の人類を敵に回し、戦う俺。 まあそれなりに面白いと思いますが、どうにも彼女に魅力が感じられないので、説得力が足りないですねえ。彼女一人の為に全人類が滅んで良いのか、という重い命題にさして思い悩むこともなく、俺は彼女を選びます。果たしてそれでいいのか、と考えるのが普通の感覚でしょう、しかし、主人公のように人類全体の重みがピンと来ないのは私も同様です。だからと言って目の前の彼女を選択しても良いのか、これは悩むでしょうね。でもこれはあくまでラノベなので、そこまでシリアスにはなり切れないのです。 Amazonで評価が高いのは多分入間人間のファンがレビューを書いている為と思われます。大体こんな小説、一般読者は読みませんからね。 |