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[ SF/ファンタジー ]
タイムラインの殺人者
アナリー・ニューイッツ 出版月: 2020年07月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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早川書房
2020年07月

No.1 5点 糸色女少 2020/11/18 21:11
この世には迷いや後悔が満ちている。「あの時、別の選択をしていたら」という願望は、誰にでもあるでしょう。この作品で作中人物たちが変えたいと願うのは、世界のあり方。物語は1992年のアメリカ西海岸からはじまるが、2022年や1893年を行き来する。父権主義がが強く、女性の権利は制限された社会。だがそんな社会に疑問を抱く女性や、男女の枠組みを窮屈に感じる人々もおり、ひそかに(ハリエットの娘たち)を組織して歴史を改変しようと活動していた。
本書の世界には数億年前から、時間旅行ができるマシンがあり、人類はその構造や原理を解明できないままに使ってきた。(ハリエットの娘たち)のメンバーは、時間旅行のたびに小さな変化を起こし、その積み重ねで社会を大きく変えようとする。だが思うようにことは運ばず、それどころか予想外の事件も。
それにしても「正しさ」は難しい。暴力的な父権主義結社は分かりやすい敵役だが、立ち向かう主人公が、正しいと信じた行動の結果に悩む場面がある。やり直せない一度だけの人生や世界が、愛おしくも感じられる。


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アナリー・ニューイッツ
2020年07月
タイムラインの殺人者
平均:5.00 / 書評数:1