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[ 本格/新本格 ] 妖琦庵夜話 空蟬の少年 妖琦庵夜話シリーズ |
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榎田ユウリ | 出版月: 2011年07月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011年07月 |
角川書店 2013年07月 |
No.1 | 7点 | メルカトル | 2020/10/05 22:40 |
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妖怪のDNAを持つ存在、「妖人」。茶室「妖〓(き)庵」の主・洗足伊織は、すば抜けた美貌と洞察力を持つ妖人だ。人間と妖人とを見分けるその力で、警視庁妖人対策本部、略してY対の捜査に協力している。今回の仕事は、予言ができる妖人「件」を名乗る占い師の真贋を見分けること。その矢先、本物の「件」である、美しい女性占い師が殺されて!?伊織の「家族」で妖人の美少年、マメとの絆も描かれる、大人気妖怪探偵小説、待望の第2弾!!
『BOOK』データベースより。 一から十まで過不足なく描かれた本格ミステリ。ただ、人間の中に人間と変わらぬ姿の妖人が共存するという特殊設定の為、色物として捉えられがちだと思いますが、決してそうではありません。確かに変化球ではありますが、ちゃんとミステリとして成り立っています。例えばあのトリックを駆使している辺り、やはり只者ではないと断じて良いのではないでしょうか。 そして何よりも、前作に続く主要キャストのキャラの立ち方が素晴らしいです。それは犯人やサイドストーリーの主役や警察関係者にまで及び、どの登場人物も個性的に描かれています。特に豆洗い妖人のマメが全編に亘って癒しを与えてくれていて、非常に好感度が高いですね。 小説の出来としては前作と肩を並べる位の佳作であることは間違いないと思います。一つだけ不満があるとすれば、あまりに周りのキャラが目立ちすぎて、肝心の探偵役である伊織の存在感がやや薄目な気がすることでしょうか。他にはちょっとありきたりな物語であるようにも見える、くらいですね。個人的にはそこはあまり気になりませんでしたが。 |