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[ 本格/新本格 ] 妖琦庵夜話 その探偵、人にあらず 妖琦庵シリーズ |
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榎田ユウリ | 出版月: 2009年12月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009年12月 |
KADOKAWA 2013年06月 |
No.1 | 7点 | メルカトル | 2020/06/23 22:32 |
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突如発見された妖怪のDNA。それを持つものを「妖人」と呼ぶ。お茶室「妖〓(き)庵」の主である洗足伊織は、明晰な頭脳を持つ隻眼の美青年。口が悪くてヒネクレ気味だが、人間に溶け込んで暮らす「妖人」を見抜く力を持つ。その力のせいで、伊織のもとには厄介な依頼が絶えない。今日のお客は、警視庁妖人対策本部、略して“Y対”の、やたら乙女な新人刑事、脇坂。彼に「油取り」という妖怪が絡む、女子大生殺人事件の捜査協力を依頼された伊織は…。
『BOOK』データベースより。 別名義でBL物を書いている作者。世評が高いので興味本位で読んでみましたが、さすがの私も生理的に受け付けませんでした。そこで、本格ミステリ風のこちらはどうかと思って試してみたら、これが面白い。妖人とか妖怪とかが出てきて、京極の世界観に近いのかと期待しましたが、それはありませんでした。。しかし、これはこれで確固とした独自のワールドを確立しており、特に個々のキャラが鮮明に立っていて、その意味では文句なしの出来だと思います。強さ、優しさ、癒し、可愛さ、幼気、残酷さなどの要素が入り混じって、凄く良い味を出しています。これは広く一般読者にも受けるでしょうね。 ミステリとしては他愛もないものではありますが、それを補って余りある魅力的な探偵像。和装の似合う茶道の師範でありながら、物語で語られる妖人として生きていかなくてはならない宿命を背負っています。更に、まだまだ明かされない秘密を隠し持っており、それがまた本シリーズを牽引している要素の一つでもあると言えそうです。これまで全八巻刊行されていて、どれも好評なのが理解できる気がします。次回作にも十分期待できると思います。 |