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[ その他 ] 麻雀放浪記(四) 番外編 麻雀放浪記シリーズ |
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阿佐田哲也 | 出版月: 1979年10月 | 平均: 8.00点 | 書評数: 1件 |
KADOKAWA 1979年10月 |
文藝春秋 2007年11月 |
No.1 | 8点 | メルカトル | 2020/05/06 23:02 |
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戦後も安定期に入った。私こと「坊や哲」は唐辛子中毒で身体を壊し麻雀から足を洗って勤め人となった。ある日、会社の仔分がおそろしく派手な毛皮の半オーバーに鍔の広いテンガロンハットをかぶった一人の男を連れてきた。ドサ健だった。そして私は、再び麻雀の世界に身を投じることになった。感動の完結篇。
『BOOK』データベースより。 『風の谷のナウシカ』は名作だけど、『天空の城ラピュタ』の方が好き的な図式がこの『麻雀放浪記(一)青春編』と『番外編』にも当て嵌まります。誰もが阿佐田哲也の代表作として『青春編』を挙げると思いますが、私個人としては『番外編』の方が好きなのです。それはまあ好みの問題としか言いようがなくて、たとえ坊や哲の出番が少なくても、他の登場人物の個性というかアクが強すぎて、もうそれだけでも満足です。本作では坊や哲は最早勤め人であり、博打から足を洗っています。ですので主役は李億春であり、ドサ健であり、森サブで、彼らの闘牌を読むだけで自分もその場にいるような錯覚さえ覚えます。 何でもかんでも挙げるなという声も理解できますが、これも歴としたピカレスクロマンです。 私は約30年ぶりくらいで読みました。多分通算5度目位の再読となります。麻雀を打ったことがない人にもお勧めします。決してハッタリではありません。読めば分かります。『青春編』の様な荒々しさや若さはありませんが、熟練した技の応酬、そして博打打として翳りゆく坊や哲の、諦めにも似た達観した姿勢が心に沁みます。 |