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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
熊の皮
ジェイムズ・A・マクラフリン 出版月: 2019年11月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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早川書房
2019年11月

No.1 6点 猫サーカス 2020/03/13 20:08
アパラチア山脈の一角で、自然保護区の管理人を務めるライスは、組織犯罪と関わっていた過去を隠し、人里離れた山奥でひっそりと暮らしていた。ある日、手足と胆のうを切り取られた熊の死体が発見される。闇市場での取引を企む密猟者の仕業だ。ライスは密猟者を捕えようと調査に乗り出すが、地元民たちは非協力的で中にはあからさまな敵意を示す者もいる。彼の前任者の女性をはじめとするわずかな味方とともに、ライスは密猟者を追う。ストーリー自体は比較的シンプル。ひときわ印象に残るのは、ライスが山奥を歩き、森に溶け込み、自身がそこに同化していくかのような迫力ある情景の描写。獣の臭い、鳥や虫の声、湿った空気。雄大にして過酷な自然の中で、ライスは自身に向き合い、そして自らの過去を振り返る。山の中で密猟者を追う現在の物語に、捨てたはずの過去が絡み合う。荒々しい展開と静かな内省が同居する、じっくり楽しみたい作品。


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ジェイムズ・A・マクラフリン
2019年11月
熊の皮
平均:6.00 / 書評数:1