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[ 時代・歴史ミステリ ] 闇のしもべ |
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イモジェン・ロバートスン | 出版月: 2012年09月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
東京創元社 2012年09月 |
東京創元社 2012年09月 |
No.1 | 7点 | 猫サーカス | 2019/12/05 19:01 |
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1780年、英国の田舎で一人の男の死体が発見され、発見場所の住人である提督夫人ハリエットが解剖学者クラウザーに死体の検分を依頼してきた。喉を切られた男のコートのポケットには、名家ソーンリー家の紋章つき指輪があった。ソーンリー家は、伯爵の跡取りである長男アレクサンダーが長く酒浸りとなり、当主は美貌の踊り子ジェマイマと再婚直後に倒れ寝たきり、といういわく付き。指輪はアレクサンダーの物なのか?爵位は誰の手に?男子を生んだジェマイマも含め、利害が複雑に交錯する。クラウザーとハリエットが真相究明に奮闘する一方、ロンドンの楽譜店主一家、米国の独立戦争についても並行して描かれ、暗い過去が徐々に明らかになっていく。史実が巧みに織り込まれ、物語に精彩を与えている。何よりも、偏屈なクラウザーと才気煥発なハリエットのやり取りが絶妙。 |