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[ サスペンス ]
無垢なる者たちの煉獄
カリーヌ・ジエベル 出版月: 2019年01月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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竹書房
2019年01月

No.1 7点 猫サーカス 2019/06/17 19:43
極めて凄惨であると同時に、ぐいぐい読ませるサスペンス。強盗と殺人鬼という二つの「悪」が対決する物語。ラファエルと弟は、2人の仲間と共に宝飾店を襲撃。宝石を奪って警察の追跡を逃れたものの、弟は警官に撃たれて重傷を負ってしまった。4人が逃げ込んだのは、村のはずれにある屋敷。ラファエルは、1人で夫の帰りを待つ女性を脅して弟の看護をさせる。一行はこの屋敷をしばらく隠れ家にしようと考えるが、やがて夫が帰ってくる。その正体は少女を狙う連続殺人鬼だった。物語の大部分は屋敷の敷地内で展開する。閉ざされた空間での、限られた人物たちの緊張がじっくりと描かれる。陰惨な暴力描写に目を背けたくなるかもしれないが、単なる過激さが売りの作品ではない。過酷な極限状態に置かれた人々の心理と、その変化を丁寧に描き出している。特に連続殺人鬼の妻の人物造形は印象に残る。上下巻を一気に読ませる、戦慄に満ちた物語。


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カリーヌ・ジエベル
2019年01月
無垢なる者たちの煉獄
平均:7.00 / 書評数:1