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[ サスペンス ] 乗客ナンバー23の消失 |
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セバスチャン・フィツェック | 出版月: 2018年03月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
文藝春秋 2018年03月 |
文藝春秋 2021年04月 |
No.2 | 7点 | 小原庄助 | 2023/06/14 08:12 |
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囮捜査官のマルティンは、五年前に大西洋横断客船(海のスルタン)号で妻と息子を失っていた。ところが、二カ月前に姿を消したアヌークという少女が、マルティンの息子が持っていたテディベアを手にして忽然と船内に現れたという。マルティンは船に乗り込むが、船内では奇妙な事態が進行していた。
本書はマルティンだけでなく、複数の人物の視点が目まぐるしく切り替わる構成だが、アヌークの母親は何者かに監禁されて罪を告白するように強いられているし、泥棒は船員の悪事を目撃して危機に陥るといった具合に、船内のあちこちで事件が同時多発的に進行するため、出来事の全体像がなかなか見えてこない。特に、章の切れ目で何が起きたかを伏せたまま、異なる視点人物が登場する次の章へと移行してサスペンスを盛り上げるテクニックが効果を上げている。 帯の惹句に「事件解決? そう思ってからが本番。」とあるように、混迷を極めた事態がようやく収束に向かう終盤は、予想もしない方向からのどんでん返しが連打される。あまりに数多くの事件が起きるので、読み終わる頃には読者がすっかり忘れていそうなエピソードが、常識はずれの箇所で説明されるあたりも、著者らしい凝り性ぶりの表れと言えそうだ。殺伐とした印象が強いわりに後味は案外悪くないので、幅広い読者層にお薦めできる。 |
No.1 | 6点 | 蟷螂の斧 | 2019/06/09 17:50 |
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タイトルは、豪華客船で毎年平均23名の人が行方不明となっているところからつけられている旨。エンタメ系サスペンスです。ただ、動機が思っていたものとかけ離れ、結構重いものでした。ドイツ作品ですが、ラストはフレンチミステリー風。 |