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[ パスティーシュ/パロディ/ユーモア ]
仮面のディスコテーク
トレース
ウォーレン・マーフィー 出版月: 1986年10月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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早川書房
1986年10月

No.1 6点 tider-tiger 2018/10/12 22:06
リチャード・ニクソン元大統領のゴムマスクを被った学生の射殺死体がニューヨークで発見された。この学生には50万ドルもの生命保険が掛けられており、トレースは調査を命じられる。絶対にマフィア絡みの事件だから関わりたくないと駄々をこねるトレースだったが、母親がトレースのいるラスベガスに旅行に来るという。早急にラスベガスから逃げ出さなくてはならない。トレースは渋々ニューヨーク行きを承諾する。

~1984年アメリカ作品 保険調査員トレースシリーズの三作目
クリスティの『象は忘れない』に続いて、象つながりで本作を。本作のどこに象がいるのか。回答は書評の後で。
マフィアは怖いとか言いながらマフィアにも減らず口を叩くトレース。意外と男気もあるトレース。それにしても、トレースの元奥さんはかなり強烈な女性のようだが、母親も負けず劣らずということなのか。
探偵事務所を開業したのに電話帳に電話番号を掲載しようとしない父。トレースが理由を聞くと「母さんにばれるだろうが」との返答。どういうことなんだ? 探偵事務所は隠れ家なのか?
それはさておき基本のプロットは典型的なハードボイルドで一作目に比べると格段にまとまりがいい。トレースの父親も一緒に調査を行うのだが、楽しいけど父親が調査に加わる意味はあまりなかったかも。被害者がなぜニクソンのマスクを被っていたのかが謎の肝であるが、そこそこ捻りがあって面白い。タイトルの意味も最後にすっきりと解ける。
さらに楽しい会話と楽しいキャラがある。それだけで自分は充分満足。
miniさんがジョン・D・マクドナルドはB級だが一流と仰っていたことがあったが、この人も作品はB級だが、二流作家ではないと思う。
この軽薄さ、馬鹿馬鹿しさに癒される。
積極的には薦められないが、日々の読書に疲れを感じて軽いものが欲しくなったらどうぞ。

象はどこにいるのか?
クリスティの『象は忘れない』原題は『Elephants Can Remember』だった。
本作『仮面のディスコテーク』原題はなんと『When Elephants Forget』と邦題とは似ても似つかない。本作もクリスティ作品と同様に「Elephants Never Forget」なる慣用句?が印象深く使用されている。
響きがよくてかっこいいこの原題にディスコとかどうしようもない邦題を当てがったのは誰なんだ?
仮面はわからなくもないが、ディスコは許せん。邦訳の出た1986年はディスコブームの真っ只中。それだけが理由か? 穿った見方をすれば、本作はディスコブームが去った後までも読み継がれると期待はされていなかったということか。そういやプリンスの『When Doves Cry』も『ビートに抱かれて』なんてことになっていた。



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ウォーレン・マーフィー
1987年05月
豚は太るか死ぬしかない
平均:7.00 / 書評数:1
1986年10月
仮面のディスコテーク
平均:6.00 / 書評数:1
1985年11月
二日酔いのバラード
平均:5.50 / 書評数:2