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[ 本格 ] パイは小さな秘密を運ぶ フレーヴィア・ド・ルースシリーズ |
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アラン・ブラッドリー | 出版月: 2009年11月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
東京創元社 2009年11月 |
No.1 | 6点 | tider-tiger | 2018/03/31 19:48 |
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英国の片田舎にあるお屋敷に父と二人の姉、使用人らと暮らす11歳のフレーヴィア・ド・ルース。趣味は化学の実験、とりわけ関心が深いのは毒物、治験?には姉を使用、こんな具合に楽しく日々を送っていた。
そんなある日の早朝、フレーヴィアは畑で赤毛の男が苦しみ、死んでいく現場に遭遇してしまう。 現場は自分たちの畑、しかも、この男が昨夜父と口論をしていたことを知っている。このままでは父が牢屋行きになってしまう。フレーヴィアは即座に行動を開始するのであった。 シリーズ一作目にして作者のデビュー作。 フレーヴィアにいまいち共感できず、理解すらできず、序盤はあまり乗れなかったものの、事件の背景、父親の過去が明らかになるにつれて、どんどん面白くなっていく。フレーヴィアのエキセントリックなところも理解はできた。共感はできないが、だんだんとこのキャラが好きなっていった。 犯人探しの点は弱い。事件の背景を探っていくという点ではなかなか面白い作品だった。プロットもしっかりしている。が、冗長。筆力あるのが仇となった感あり。400頁超のヴォリュームなのだが、300頁くらいにまとめた方が良かったのではないかと思う。 ミステリというよりはおしゃまな少女の冒険譚といった風で、そういう意味ではとても面白かった。ミステリとしては弱いので6点。 ※nukkamさんの御書評によれば本シリーズには本格としてなかなか楽しめる作品もあるようです。 読み進めていくうちに物語の時代が1950年代だということがわかった。とすると、作者はフレーヴィアと同世代ということになる。現在作者は……え? えーっ!? 読後に作者がカナダ出身の70歳男性(執筆時)ということを知って非常に驚いた。 |