海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 法廷・リーガル ]
ありあまる殺人
新ペリイ・メイスン・シリーズ
トマス・チャステイン 出版月: 1990年12月 平均: 6.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


早川書房
1990年12月

No.1 6点 nukkam 2020/07/27 21:03
(ネタバレなしです) 長編82作もの弁護士ペリー・メイスンシリーズを書いたことで有名なE・S・ガードナー(1889-1970)の生誕100年記念としてカウフマン警視シリーズの警察小説やビル・アドラーとの共著の犯人当て懸賞小説「誰がロビンズ一家を殺したか?」(1983年)で知られる米国のトマス・チャスティン(1921-1994)が1989年に発表した新ペリー・メイスンシリーズ第1作の本格派推理小説です(といってもこの新シリーズは2作で打ち止めです)。ガードナー作品を扱っていた出版社やガードナーの遺族の事前検閲を受けて許可をもらっているそうで、しっかり仁義を切っていますね。ガードナー作品との相違点が気にならないわけではありません。シリーズ世界でのレギュラーメンバーは年齢を重ねないのですけど、名脇役だったポール・ドレイクやトラッグ警部を本書で引退させてポール・ドレイク・ジュニアやダラス警部補に役割交代させる必要性はなかったように思えます。被告に不利になりやすいのでガードナーが滅多にしなかった「被告を証言台に立たせる」ことをメイスンがためらわないのも違和感があります。とはいえ物語のテンポとスピード感はガードナーを彷彿させますし、目撃者多数の前で殺人を犯したと思われる男が自宅に戻って何者かに殺されるという不思議な謎解きも魅力的です。


キーワードから探す
トマス・チャステイン
1990年12月
ありあまる殺人
平均:6.00 / 書評数:1
1984年10月
ロビンズ一家の復讐
1984年01月
誰がロビンズ一家を殺したか?
平均:4.50 / 書評数:2
1983年09月
子供たちの夜
平均:5.00 / 書評数:1
1981年11月
16分署乗取り
1980年12月
マンハッタンは闇に震える
平均:6.00 / 書評数:1
1979年03月
死の統計
平均:7.00 / 書評数:1
1978年04月
ダイヤル911
平均:5.00 / 書評数:1
1978年01月
パンドラの匣
平均:7.00 / 書評数:1