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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 老人と犬 |
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ジャック・ケッチャム | 出版月: 1999年06月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
扶桑社 1999年06月 |
No.1 | 6点 | tider-tiger | 2017/12/01 20:47 |
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愛犬を殺害された老人が自分の正義を貫こうとする話。
老人の「復讐」と言えば簡単だが、その言葉に多少の違和感がある。 老人はきちんと謝罪すれば相手を許していたように思えるが、相手が非を認めないためだんだん話が大きくなっていく。老人は数えで68、もしくは69歳。昨今ではこのくらいの年齢だと元気な人がいくらでもいる。戦闘能力も生殖能力も平均をやや上回るだろうが、リアリティは保たれている。文体も老人らしさがある。 プロットは平凡そのものだが、小説としてどこか歪みがある。引っ掛かりがある。独特の読み味と滲み出るような狂気があり、本作を非凡なものにしている。 敵があまりにも愚かだと白けるが、本作はなぜかその点が気にならなかった。主人公の行動もあまり合理的とは思えず、ラストもどこか不条理なように思えた。本書を爽快だとする感想も目にしたが、私はそうは思えなかった。 採点は6点だが、それ以上に楽しめた。 原題は『RED』 ケッチャムは『隣の家の少女』『オフ・シーズン』そして、本作を読んだが、他人様にお勧めできるのは本作しかない(私見)。優等生ではないがエンタメとして普通に楽しめる。『オフ・シーズン』『隣の家の少女』は正直辛かった。エンタメとしては楽しめないし、とにかく疲れた。が、駄作ではないと思う。 |