皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ パスティーシュ/パロディ/ユーモア ] 魔犬の復讐 新シャーロック・ホームズ |
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マイケル・ハードウィック | 出版月: 1989年01月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
二見書房 1989年01月 |
No.1 | 6点 | 人並由真 | 2017/08/03 07:41 |
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(ネタバレなし)
1902年の英国。ワトスンが27歳のアメリカ女性コーラル・アトキンスと婚約するのと前後して 、ロンドンから少し離れたハムステッド・ヒースに、あの魔犬が復活した? らしき怪事が起きる。レストレードの請願で調査に向かうホームズだが、そんな彼のもとには即位を直前に控えたエドワード7世からの依頼など並行していくつもの事件が飛び込んでくるのだった。 英国有数のシャーロッキアンとして著名で、以前はワイルダー監督のホームズ映画 のノベライズも担当した作者による正統派系のパスティーシュ。 タイトルの魔犬事件、新国王の過去の醜聞事件 、クロムウェルの遺骨にから陰謀、さらには船上の怪死と、複数の事件が矢継ぎ早に語られ、やがてそれらのいくつかが有機的に組み合わさっていくなかなか凝った構成。 一方で抱える物語要素の興味が互いに相殺しあった面もないではないが、そこは聖典世界に通じてリスペクトを欠かさない書き手の素養もあって、全体的には面白く読める。ハメの外し方の間合いを心得たマイクロフトの扱いなど、ラストもちょっと印象的。評価はほんのちょっとおまけしてこの点数。 |