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[ 日常の謎 ]
はんざい漫才
神楽坂倶楽部シリーズ
愛川晶 出版月: 2016年04月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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文藝春秋
2016年04月

No.1 6点 kanamori 2016/05/17 19:08
寄席「神楽坂倶楽部」の席亭(支配人)代理を任された素人のアラサーヒロイン・希美子を中心に、演芸場で起きる様々なトラブルと人間模様を描く、”神楽坂謎ばなし”シリーズの3作目。

今回選ばれたジャンルは漫才と音曲で、2つの中編で構成されていてます。
1話目の「はんざい漫才」では、赤穂浪士の火事装束に西部劇のテンガロンハットという奇妙な姿をした泥棒が出没し、ある漫才コンビのネタ「タイムマシン」との類似に気付いた警察が希美子のもとにやってくる。
これはトリックはいいと思うのですが、ちょっとプロットがごちゃごちゃしていて、ストレートにその面白さが伝わってこないような気がします。
2話目の「お化け違い」では、落語協会の会長が神楽坂で怪談噺を演じることになったのだが、希美子の父親との過去の因縁が原因で、大きなトラブルに発展する。謎解きミステリとしての妙味は乏しいですが、単に薀蓄や思い出話と思われた様々なエピソードが、全て1つに纏まる伏線回収の手際がお見事。また、”神田紅梅亭”の馬春師匠や弟子の馬伝(福の助)、谷原秋桜子名義の小梅(立花直海)や美波など、作者の別のシリーズのキャラクターたちが多く出演する趣向も楽しい。(なお、本書の「あとがき」で、谷原秋桜子が愛川晶の別名義であることがカミングアウトされています)。


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愛川晶
2016年04月
はんざい漫才
平均:6.00 / 書評数:1
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