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[ 本格 ]
ルーン・レイクの惨劇
ケネス・デュアン・ウィップル 出版月: 2015年12月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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論創社
2015年12月

No.1 5点 nukkam 2016/01/28 08:51
(ネタバレなしです) 1930年代にミステリー長編わずか3作(その他も8作のみ)を発表した米国のケネス・デュアン・ウィップル(1894-1973)の1933年出版の第1作です。本格派推理小説ではありますが同時代のエラリー・クイーンのような緻密な推理はなく、謎解きとしてはむしろ粗いです(事件が解決した後でも探偵役が「いまだに解明されていない事実がある」と述べています)。論創社版の巻末解説の通り、ミステリーを読み慣れた読者なら犯人は比較的見当がつきやすいと思いますし、トリックはかなり強引です。代わりにスリラー色が非常に濃く、主人公の目前でいきなり湖上の射殺事件が置き、さらに霧の湖上でカヌーに乗った主人公たちが襲撃され、夜のコテージの窓に謎の人物の顔が浮かび上がり、貯蔵庫から食料が盗まれたりと次から次へと事件が起こります。都会風なクイーンと比べると古臭さがにじみ出ていますが、サスペンスに富んで退屈はしません。


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ケネス・デュアン・ウィップル
2015年12月
ルーン・レイクの惨劇
平均:5.00 / 書評数:1
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平均:5.00 / 書評数:1