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[ 本格/新本格 ]
犯罪の場
飛鳥高 出版月: 1959年01月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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光書房
1959年01月

No.1 6点 nukkam 2016/01/13 20:19
(ネタバレなしです) 100歳の誕生日まであと約1週間で大往生した飛鳥高(あすかたかし)(1921-2021)は建築技師が本業でミステリー作品は多くありませんがかなりの実力者だと思います。大学の実験室で大学院生が怪奇な死に方をした「犯罪の場」、密室状態の住宅試作品の中で死体が発見される「二粒の真珠」、死体の上に人形が重なっていた「犠牲者」など1947年から1958年にかけて発表された短編6作を収めて1959年に出版された第1短編集は本格派推理小説系の作品が多いです(第2短編集の「黒い眠り」(1960年)は逆にサスペンス小説系が多いです)。「犯罪の場」や「二粒の真珠」のトリックは非常に印象的でこの作者がトリックメーカーと評価されたのも納得できますが、それは一面にしか過ぎないと思います。短編ゆえに限界はあるものの動機にも工夫を凝らしており、時には人間ドラマの方で強い印象を残しています。本格派推理小説と社会派推理小説のジャンルミックス的な作品を書いていたのは当時としては先進的な作家だったと思います。


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