ミネルヴァの報復 弁護士睦木怜の事件簿 |
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作家 | 深木章子 |
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出版日 | 2015年08月 |
平均点 | 5.67点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 6点 | 虫暮部 | |
(2021/07/13 12:37登録) 本作単独でなら面白いが、この作者は似たようなネタを繰り返し使うので、論理ではなく書き方で犯人を当てられてしまった。 ネタバレしつつ書くが……殺人の後始末の共犯者を事後に調達しようと考えるのは無茶。通報される可能性の方が遥かに大きいだろうに。 第二章の冒頭。某が事務所へ来訪。話した内容は電話一本で済むような質問。それっぽっちの為にわざわざ? 真相を踏まえるとコレはちゃんと伏線になっているのだが、作中でその点を説明していない。作者も気付かなかったのかな? |
No.2 | 6点 | パンやん | |
(2016/07/12 07:50登録) 小説としての文章の練達さに舌を巻く。横手弁護士を軸に読者視線としてストーリーを転ばし、所々睦木弁護士を挟み、謎にヒントを塗して修正させるという展開がうまく、聡明な犯人の更に上を読む推理は神憑ってはいるが、訴訟の矛盾やトリビアも飛出して、何かとお得な一編。 |
No.1 | 5点 | HORNET | |
(2016/03/12 20:25登録) 弁護士・睦木怜シリーズ。 前作の「敗者の告白」よりがぜん臨場感というか、躍動感があってとても読み進めやすかった(「敗者…」は手記といいう形式だったからまぁあたりまえかもしれないが)。とにかく、断然こっちのほうが良かった。 ただ―なんでだろう?さり気ない感じで描いていると思うのだけど、「ここ、ちょっとなんか含みがあるな」というのが目についてしまう。要は「仕込み」が分かってしまうのだ。だから嘘じゃなく、真相はほとんど看破できていた。 この話では主人公の、横手弁護士は早々に「間違いない」と断じすぎ。しかし人間性としては嫌いになれない。睦木弁護士よりむしろ共感してしまうところはあった。 |