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ミステリの祭典

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ライオンの歌が聞こえる
平塚おんな探偵の事件簿2

作家 東川篤哉
出版日2015年06月
平均点4.33点
書評数3人

No.3 3点 mozart
(2015/09/10 14:24登録)
前作と比べてもキャラクターの魅力不足は相変わらずで、ギャグ度、ミステリー度ともさらに薄味と感じました。特に最後の「消えたフィアットを捜して」はいくら何でも……。

No.2 5点 まさむね
(2015/08/09 22:36登録)
 シリーズ第2弾。これまでの作者のシリーズと比べて、キャラ自体の特徴は弱めなのですが、逆に使い勝手は良いのかもしれません。だからなのでしょうか、ちょっと「やっつけ感」が匂わないではありません。③がなかったならば、4点レベルかなぁ…。
①亀とライオン:犯人がわざわざ策を弄した意義がよく判りませんねぇ。私だったら、そんなことはせずに「とても急いでいたようでしたので…」と証言するだけだけれどなぁ。
②轢き逃げは珈琲の香り:小さな思い付きから即興で作られた作品…って感じ。
③首吊り死体と南京錠の謎:密室をベースにしながらの反転が実にお見事で、本短編集中のベスト。雰囲気は全然違うものの、個人的には「容疑者Xの献身」を思い起こしましたねぇ。
④消えたフィアットを捜して:いやいや、いくらなんでも強引すぎますなぁ。

No.1 5点 kanamori
(2015/07/10 18:44登録)
平塚おんな探偵シリーズの2作目。”ライオン”の異名を取る探偵エルザと、探偵助手”わたし”の女性コンビが、ボケをかましつつ4つの事件に挑む。

作者のシリーズ・キャラクターとしてはやや個性が弱く、ギャグも不発気味に感じられる連作ですが、前作と比べると謎解き部分に見るべきところがあるように思います。
前半の2編はともに些細な疑問点から真相を導き出すロジックを主眼とする作品で、「亀とライオン」では、なぜカメ愛好家の死体は裸足だったのか?、「轢き逃げは珈琲の香り」では、なぜ轢き逃げ犯は被害者の老女にコーヒーをかけて逃げたのか?という”ホワイ”から犯人を特定する。前者の伏線を活かしたロジック展開がまずまずと思える出来栄え。
一方、後半の2編は犯人によるトリックが読みどころで、「首吊り死体と南京錠の謎」は、大学サークル部室の密室殺人を表面的な謎にしながら、そこに隠された事件の構図に意外性があり、これが編中での個人的ベスト作品。最後の「消えたフィアットを捜して」は、トリックの強引さが目立ち、バカミスとして読んでもさほど面白いとは思えなかった。

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