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ミステリの祭典

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主よ、永遠の休息を

作家 誉田哲也
出版日2010年03月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 5点 虫暮部
(2020/09/24 11:29登録)
 誘拐犯人が類型的。ああいう目的で流出させ、それを辿ってあそこに現れる、と言う行動にそれなりの合理性が伴っている点は(上手く行き過ぎだけど)良かった。
 一方、折角のミステリ的な捻りがあまり生かせていない。判り易い伏線を引っ張り過ぎ。
 一人称の文体の端々が微妙にイラッと来る。そうやって読者を不安定にさせるのが狙いだったら、なかなか凄いな。

No.2 7点 斎藤警部
(2017/01/26 23:40登録)
読み始めからしばら~~く経っても、なんか、おかしなくらいヒリヒリしないんだがね。こんな表題と見え隠れする主題の割には妙にタッチが軽いんだよなぁ。てかページがスイスイ進むに連れユーモーミステリ風様相が濃くなり、タイトルとの乖離感が増幅の一途。これはいったい。。。。

“己の正義を正義を曲げてでも隠したい何かが。。。 彼の中にはある。” 父親。母親。 桐江エレイゾン。。
【ここだけネタバレ】 そういうトリック使いもあるんだな、性別誤認には。。

本来なら耐えられない程おぞましかるべき社会派人生劇場がどうにも弱い分の補填か、集中的にしっかりミステリとして興味深い結末を浴びせてくれたのは、却って良かった。
終わってみれば、全く悪くなかった。外見だけじゃ分からんって、こういう事か。

でもやっぱり、タイトル負けはしているね。それで構わんです。
(最後にホノボノとした感動で〆、ってのもこういう題材の小説としてどうかとは思うが、何処かバランスがおかしいんだが、何しろ面白いんだからしようがねえ)

No.1 6点 蟷螂の斧
(2015/04/08 22:06登録)
裏表紙より~『14年前の女児誘拐殺人事件。”実録映像”はなぜ出現した!?通信社社会部の記者・鶴田吉郎は、コンビニ強盗の犯人逮捕を偶然スクープ。現場で遭遇した男から、暴力団事務所の襲撃事件について訊ねられた吉郎は、調査の過程で、14年前に起きた女児誘拐殺人事件の“実録映像”がネット配信されていたことを知る。犯人は精神鑑定で無罪とされていた…。静かな狂気に呑み込まれていく事件記者の彷徨を描いた傑作、待望の文庫化。』~
解説によると、姫川玲子シリーズのデビューは「ストロベリーナイト」ではなく、本書であったのかもしれないという作品です。個人的には、玲子自身のトラウマと事件が類似しているので、シリーズの方が面白味が増したのかも?という印象を持ちました。本作は記者と事件関係者の女性それぞれの一人称で語られ、ジョークもあり結構軽めの感じがします。しかし、内容は救いようのない重いものでした。題名は読後に・・・。

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