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ミステリの祭典

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裸で転がる
名作選7

作家 鮎川哲也
出版日1978年10月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 斎藤警部
(2016/12/05 23:03登録)
さて昔日の角川文庫で「名作選」と銘打たれていた鮎川短篇集は元来第一巻から堂々第十三巻までの全短篇網羅を目論んでいた。ところが折からのセックスピストルズ解散(1978)が影でも落としたか、文字通りの名作群が集まる筈だったであろう第一巻から第六巻は計画頓挫、どちらかと言うと拾遺集であろう第七巻以降のみ無事刊行された。後世から見ると、レア作品網羅という意味では案外結果オーライだったのかもなァ。

死に急ぐもの/笹島局九九〇九番/女優の鼻/裸で転がる/わるい風/南の旅、北の旅/虚ろな情事/暗い穽(あな).
(角川文庫)

速い展開を見事に凝縮「女優の鼻」。百ベージの中篇は読み応えの表題作「裸で転がる」。締まった推理クイズに人情からんで「わるい風」。犯人の意外性が緩いだけに突然のエンディングが響き渡る「南の旅、北の旅」。世知辛い話が何故だかじんわり味わい残す「虚ろな情事」。推理クイズをスリリングに仕上げた「暗い穽」。他二作も、特筆はしないがまァそこそこ悪かない。

ウナ電、トテシャン、黒眼鏡、スケコマシの容疑で逮捕。。イカした昭和死語の数々も彩りを添える。

それにしてもこの本の表紙「裸で転がる鮎川哲也」と目に入るもんでその絵面を想像すると何だか可笑しッくって。

No.2 6点 測量ボ-イ
(2015/03/21 09:40登録)
いやあこれは懐かしい。この短編集も何度読み返したことか・・・
出来そのものは他の短編集よりやや落ち感がありますが、これは
これで楽しめます。
「女優の鼻」なんかは動機の意外性があります。
あと「笹島局・・・」は、あまり出来の良い作品ではありません
が、後年ある長編で見事にこのトリックを応用しているのも見も
のです(鮎川ファンなら、どの作品か直ぐピンと来る筈)。

No.1 5点 ボナンザ
(2015/03/05 21:22登録)
角川文庫から出ていた短編集の一つ。
死に急ぐもの、笹島局9909番、女優の鼻、裸で転がる、わるい風、南の旅北の旅、虚ろな情事、暗い穽の8作を収録。
いずれも良作。

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