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ミステリの祭典

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天久鷹央の推理カルテⅡ ファントムの病棟
天久鷹央の推理カルテシリーズ

作家 知念実希人
出版日2015年02月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 まさむね
(2023/10/20 22:25登録)
 シリーズの続編で、2つの短編のあとに中編が続く構成。
 2つの短編の「謎」自体は、いずれも疾病や医学の知識がないと解きようがないのですが、反転などの工夫は施されていて、印象は悪くなかったですね。
 中編については、医学の知識の有無は別として、ストーリーの流れや結末を容易に察することができますが、終盤のあるシーンには涙腺が緩みました。ベタと言えばベタ。でもこういう物語って、やっぱり沁みる。

No.1 6点 メルカトル
(2015/03/11 21:54登録)
前作に続き、天医会総合病院副院長にして、統括診断部部長天久鷹央が活躍する、連作中短編集。二短編と一中編という構成だが、いずれも舞台は天医会病院であり、事件は殺人事件というわけではない。どれも医療が関係した、不可解なものだ。
鷹央のキャラは相変わらず際立っているが、残念ながら今回は他の人物の影が薄い。それはいいが、本作の最大の欠点は医学に関する専門知識がないと、いずれの謎も解けないことだろう。医者や看護師でなければ、謎解きに参加できないのは、ややフェアさに欠けるとの意見も上がるかもしれない。
だが、そんな欠点を補うだけの面白さを持った作品集ではないかと私は思う。特に最終話はかなり切ない。そんな要素がミステリに不可欠とは言わないが、一篇の小説として魅力的だとは言えると思う。

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