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ミステリの祭典

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チャーリー・モルデカイ (1) 英国紳士の名画大作戦
チャーリー・モルデカイ

作家 キリル・ボンフィリオリ
出版日2014年12月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 5点 猫サーカス
(2018/04/23 20:03登録)
画商の主人公とその用心棒が奇妙な騒ぎに首を突っ込むシリーズの第一作。映画化に伴いシリーズがまとめて邦訳されたらしい。脱線と不謹慎なジョークが積み重なって、ついでに死体も積み重なって、どうやって収拾するんだと戸惑っているうちに着地する。決して万人向けではないが、悪ふざけが嫌いでなければ、至福のひと時を味わえると思います。

No.2 3点 E-BANKER
(2015/04/29 17:10登録)
1973年発表。原題“Don't point that thing at me”
ジョニー・デップ主演で映画化されるという快挙に及び、角川書店より急遽刊行されたシリーズ第一作。
サブタイトルは「英国紳士の名画大作戦」・・・

~マドリードで盗まれたゴヤの名画。イギリスで捜査を担当する臨時主任警視のマートランドは、学友の画商チャーリー・モルデカイを訪ね手掛かりを得る。ナショナル・ギャラリー、ターナー作品の裏に隠された一枚の写真。石油王クランプフのビンテージカーを外交封印のもとにアメリカに運ぶ仕事を引き受けたモルデカイだが、マートランドに弱みを握られ、汚れ仕事を押し付けられて・・・。怪作ミステリーの第一弾~

これは一体なんと言えばいいのか・・・?
とにかくハチャメチャで、展開が早すぎてついていけない!
今までの話はなんだったんだ? の連続。
で、結局なに?

敢えて言うならこんな感じ。
読了後、あまりにもよく分からなかったので、普通ならパラパラと再読するところなのだけど、今回はそんなことすら思いつかなかった。
これは映像向きなんだろうなぁ・・・
英国流のジョークや悪ふざけの応酬、登場する人物たちはいちいち下品で野趣な雰囲気。
正直、途中でプロットを追い掛けるのは諦めてしまった。

シリーズ一作目だし、本来なら続編を手に取るべきなんだろうけど、これはなぁ・・・
先に映画でも見ていれば違うのかもしれない。
ということで、読者を選ぶ作品という世評はそのとおりだろう。
で、私は“選ばれなかった”ということだ。
(ラストも中途半端でよく分からん!)

No.1 6点 kanamori
(2015/02/02 22:12登録)
ロンドンの高級住宅街で優雅に暮らす”ぼく”こと画商のモルデカイのもとに、特別捜査班の警視で学友のマートランドが訪ねてくる。ゴヤの名画の盗難事件に関与していると目を付けられたモルデカイは、マートランドにある弱みを握られ、とんでもない汚れ仕事を押し付けられるはめに---------。

貴族の子弟でもある画商、チャーリー・モルデカイ登場のシリーズ第1作。
名画の盗難がらみのドタバタ陰謀劇から、ロールス・ロイス車を米国に住む石油王のもとへ運ぶロード・ノヴェル、英国の湖水地方の洞窟における冒険スリラー風のサバイバル戦と、舞台と趣向を次々変転させながら、行く先々で死体がドンドン増えていく派手な展開の本書。
先に読んだ第3作の「深き森は悪魔のにおい」同様に、教養主義丸出しの古典の引用と薀蓄披露や、下品でブラックなジョークで溢れていて、プロットを追いかけるのが一苦労ですが、まだ本書のほうが分かりやすい。ただ、この無軌道な作風はアクが強すぎ、かなり読者を選ぶシリーズと言えそう。
第1作だけに、モルデカイと周辺人物の造形が詳しく描かれているのも良い。とくにモルデカイの執事で破天荒な用心棒ジョックのキャラクターが強烈。つづく2巻目が楽しみだ。

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