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ミステリの祭典

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青銅ドラゴンの密室

作家 安萬純一
出版日2014年12月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 名探偵ジャパン
(2017/04/02 19:26登録)
島荘、二階堂黎人監修の本格ミステリシリーズということもあってか、いかにもこの二人が好きそうな作品です。
往年の島荘を彷彿とさせる大掛かりで大胆なトリックに、最後、ちょっとした仕掛けを施し、懐かしさの中に現代的な趣向を混ぜ合わせた作品に仕上がっています。
メイントリックについては、まあ、あれをひとりでやるのは(特に犯行後、装置に対して行う施工は)時間的にも無理だろうとは思いますが、そこのところも含めての「古き、良き(いや、全面的に肯定はできませんが)本格ミステリ」という味わいを持っています。

No.1 5点 kanamori
(2015/02/24 22:59登録)
ホルツマイアー家の敷地内にある青銅のドラゴンを模した塔を見るため、近代建築研究家で探偵を称するラズボーンが訪れる。調査を進めるさなか、密室状況の塔の内部で、頭をかみ砕かれたような死体が発見される。それは百年前に旅芸人の男女が殺された状況と全く同じだった---------。

ドイツの旧家一族に秘められた過去や、死んだはずの男の復讐に怯える兄弟、陰惨な伝説がある塔で再び起こる密室殺人と、全盛期のディクスン・カーを思わせる王道の本格編です。
物語の全体構成に荒削りなところがあり、登場人物も類型的で(すべて外国人ということもありますが)単なるパズルのピースのように描かれているのが難点ですが、それらも含めてコテコテのパズラーの王道ですw
本書の中核の謎は、ドラゴンの塔を巡る密室殺人の”ハウダニット”で、個人的にあまり好みではないタイプではあったものの、ユニークなトリックは一読に値するのではと思います(現場の見取図がないのが惜しまれますが)。多重解決の”仕掛け”を含め、最後まで目の離せない快作です。

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