home

ミステリの祭典

login
クローバー・リーフをもう一杯
遠近倫人&青河幸/改題『京都なぞとき四季報 町を歩いて不思議なバーへ』

作家 円居挽
出版日2014年10月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 4点 虫暮部
(2015/01/22 20:32登録)
 なんか流行のライトミステリの真似をしただけという感じ。登場人物の行動原理もピンと来ない。“ルヴォワール”シリーズの次の一手がコレ、というのは、せっかく確保したマニアックなファンを手放してしまう戦略ミスでは?

No.2 6点 まさむね
(2014/12/19 21:35登録)
 作者初の連作短編集(だと思う)。
 「ルヴォワール」シリーズで作者の技巧を見せつけられてはいますが,同シリーズには「面倒くささ」が同居していたのも事実。
 この作品は,その辺りも意識しているのか,結構読みやすい展開。その分,謎も軽めではありますが,4話目の「ペイルライダーに魅入られて」と最終話「名無しのガフにうってつけの夜」に作者らしさを感じます。
 前半での青春ミステリ的な盛り上げが,後半に活かしきれていないことが惜しいですね。遠近クンと青河さんの展開も気になるなぁ。今回の登場人物たちを使った続編は出ないものか。(もしかして作者の営業戦略に乗せられているのか?)

No.1 5点 kanamori
(2014/11/10 20:45登録)
京都大学キャンパス内のどこかで、密かに営業する神出鬼没のカクテル・バー「三番館」。日常の謎をお代がわりに、俺はそのバーの女性マスター蒼馬美希のもとに足を運ぶ--------。

大学1回生の”俺”が、”賀茂川乱歩”と称する京都観光地巡りのサークル活動中に遭遇した謎を、不思議なバー「三番館」に持ち込み、マスターの作るカクテルを飲むと答えがヒラメく......といった内容の連作ミステリ。
このパターンが繰り返される最初の3編は、手堅くまとめているもののまあ普通の日常の謎モノで、あまり独自性を感じないが、4話目のバーを舞台にしたコンゲーム風のものと、「三番館」とマスターの秘密が絡む最終話が作者らしい作品。最終話は、大掛かりなトリックはともかく、放火犯とマスターという2つの謎に関する伏線のバラマキ具合が絶妙だと思う。
ただ、連作の内容が途中から軌道修正されたためか、主人公の恋の行方という青春ミステリの要素が中途半端で終わってしまったのは残念。

3レコード表示中です 書評