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ミステリの祭典

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レッド・ドラゴン
レクター博士

作家 トマス・ハリス
出版日1985年05月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 ◇・・
(2024/10/29 20:27登録)
満月の夜に連続して起こる殺人事件を描いたもので、サイコものの極めつけと言っても良い。動機探しのミッシングリンクの要素もある。
元FBI捜査官のグレアム探偵の推理方法が変わっていて、ひたすら犯人に同化して推理を進めていく。その意味では、FBIのプロファイリング捜査を扱った草分け的作品でしょう。

No.2 6点 虫暮部
(2021/08/05 10:03登録)
 例えばジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムは、ハンディキャップがあっても取替えが利かないんだなあと思わせる能力を具えているが、こちらのウィル・グレアムは? 組織がぼんくらだから相対的に有能、と言う程度に見える。爪を隠しているのか。寧ろ、身軽に動けるポジションを彼に与えたクロフォードの采配の勝利か。
 中だるみ、と言うより全体的にたるんだ感じで、勿体振った書き方がスピード感を損ねていると思った。雑誌の配送スケジュールの件とか、色々と面白いアイデアが盛り込まれてはいる。

No.1 6点 バード
(2020/07/14 00:28登録)
異常犯罪者を追う話としてはまあまあ。
しかし、『ハンニバル』でレクターというキャラクターにほれ込んだ私にとっては、本作はレクター博士成分が不足している。
決定版の巻末には、レクターの出番が控えめな本書こそがレクターシリーズ最高傑作であると書いてあるが、私の感覚ではそうは思えなかった。

本作の二人のメインキャラ(捜査官のグレアムと異常犯罪者のダラハイド)は、読者が理解できる平凡なキャラで、レクターが持っている「奥底にある何か」がない。(レクターの魅力は共感もできなければ理解もできない唯一性だと思っている。)
メインの二人が役割としてはレクターの噛ませなんで物足りないのよね。

『羊たちの沈黙』にはレクター博士並みに魅力のあるクラリスが出るようなので期待。

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