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ミステリの祭典

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罪の余白

作家 芦沢央
出版日2012年09月
平均点4.33点
書評数3人

No.3 5点 測量ボ-イ
(2024/05/14 23:21登録)
この作品のミステリとしてのオチは何だろう?
という目線で読み進め、最後になるほどそう来
たか…という感じです。
とはいえ、女社会は大変だなあとあらためて
思った次第。

No.2 5点 HORNET
(2021/12/31 15:38登録)
 安藤の娘、加奈が学校で転落死した。自死であることを示すようなものや事実は特になかったことから、事故として一応の帰結を見る。が、実は加奈は、同級生の咲たちから陰湿な嫌がらせを受けており、その「罰ゲーム」の際に誤って転落したのだった。虚脱状態から少しずつ抜け出した安藤は、加奈の「日記」に何か残っているのではないかとその在りかを探し出そうとする。一方、咲たちは真実が明るみに出はしないかと危惧し、彼女らは彼女らで探りに出ようとするのだった―

 読み易く、一気に読み進められるのだが、昨今ありがちな設定・内容で新味はなく、肩透かしを食ったよう。この作者のことだから、何か大きな展開やひっくり返しがあるのかと思いきや、いたってフツーの「このテの話」だった。
 唯一、安藤の力になる大学の女性助教授のキャラクターと、その変容の物語が伏線として面白かったが。

No.1 3点 メルカトル
(2015/06/05 22:00登録)
いじめを受けて、自殺なのか事故死なのか判然としないが転落死した女子高生。その父親が、いじめられていた相手に復讐を計画する物語。ストーリーは四人の視点から描かれるが、被害者側の心理状態はそれなりに描写されているが、加害者のほうはそれほど深くえぐられていない感じを受ける。物語に新味はなく平凡であるし、オチも捻りもなく、これと言って特筆すべき点が見当たらない。
本作は第三回野生時代フロンティア文学賞を受賞したらしいが、にわかには信じがたい。そこまでの価値があるのかどうか。
お世辞にも文章がうまいとは言い難く、プロの作家に手によるこなれた作品というより、作家志望の習作というのがいいところだろう。賢明なる本サイトの読者はくれぐれも読まれないことを強くお勧めする。

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