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ミステリの祭典

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ヨハネスブルグの天使たち

作家 宮内悠介
出版日2013年05月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 糸色女少
(2019/07/21 20:28登録)
近未来の五つの都市を舞台にした連作短編集。
どの地域もおのおのの事情によって紛争を抱え、人々は戦いと死が身近にある中で生活を営んでいる。
歌う少女ロボットが、それぞれの戦いでどのように使用されるかも読みどころだが、紛争や内戦の原因には現代の世界情勢が巧みに組み込まれ、「今ここ」で平和を求める人々の切なさはリアルに胸に迫る。

No.2 3点 メルカトル
(2016/01/06 19:29登録)
いかにもSF描いてますと言わんばかりの無味乾燥で、ぶつ切りの箇条書きのような文体が鼻につく。シーンの切り返しが一行、或いは二、三行ごとに行われているし、色んな意味で説明不足で話についていけない。さらに、聞いたことのないカタカナ表記が横溢しすぎて、とにかく読みづらいことこの上ない。
唯一、日本製の人型ロボットが空から大量に降ってくるという、なんとも言えない不可解なシーンだけがストーリーの中で浮き上がっており、印象に残るばかりである。あとはもう正直何を書いているのやら理解不能な代物で、しかもよくよく考えてみても読み物として面白くない。
前作『盤上の夜』がかなり良かったので読んでみたのだが、何度も挫折しそうになりながら、何とか読破したのはいいが、期待外れもいいところだった。しかもまさかの直木賞候補に選ばれたというのだから、世の中解らないものである。SFっていうのはこんなにつまらないものなのか。
SFファン熱狂・・・私はがっくり肩を落とすという図式(私にはSFを読む資格すらないのか)が成立するのだ。

以上、完全にこき下ろしておりますが、あくまで個人の感想であり、作者及び作品を中傷するものではありません。

No.1 8点 E-BANKER
(2015/12/06 20:17登録)
2013年発表。
デビュー作として評判を呼び、直木賞候補にも押された短篇集「盤上の夜」に続く第二作品集。
本作もまた独特の雰囲気を持つ作品に仕上がっている。

①「ヨハネスブルクの天使たち」=舞台は当然南アフリカの大都市ヨハネスブルク。近未来の時代の荒廃した都市として描かれているのが興味深い。主人公の男女二人が、見捨てられた耐久試験場で何年も落下を続ける日本製ホビーロボットDX9の捕獲に挑むのだが・・・。
②「ロワーサイドの幽霊たち」=9.11を過去に経験したNYのツインタワー跡。時代を行きつ戻りつ、関係者たちの証言をつなぎ合わせながら進行する物語。ここでもまたDX9の落下が作品のモチーフとなるのだが・・・
③「ジャララバードの兵士たち」=舞台は戦乱下のアフガニスタン。NYで過ごした経験を持つ日系人ルイが主人公となる本編。③以下④~⑤は世界観を共有する物語のよう・・・。
④「ハドラマウトの道化たち」=舞台はまたしても戦乱下の国、中東はイエメン。③で登場したルイが再び姿を見せる中、日系人のアキトがDX9たちの攻撃に備えるのだが・・・
⑤「北東京の子供たち」=“北東京”というのは解説によるとどうやら高島平のマンション群辺りを指しているらしい。ルイには弟がいて、兄ルイが帰京するのを待っているという状況の本編。

以上5編。
いやぁー独特の世界観!
何とも言えない雰囲気を纏った作品たち。
登場人物のひとりひとりに血が通っていて、作家としての力量の高さが窺える。直木賞候補となるのも十分うなずけた。

日本製ロボットDX9という共通項を持って繋がっている連作短篇。
結局作者が何を問い、何を語りたかったのか? それが十分汲み取れたかというと疑問なのだが、何とも映像的というか余韻をひくというか・・・いやいや・・・
あまりクドクドいうべきではないと思うので、未読の方は是非手にとってください。
(無国籍、荒廃とした世界・・・落下するロボット・・・やっぱ独特)

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