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ミステリの祭典

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貘の檻

作家 道尾秀介
出版日2014年04月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 ぷちレコード
(2020/10/07 19:21登録)
横溝テイストにあふれた舞台設定に加え、地下水路、農作業のしるべとなる山の残雪の形、薬物、写真など多彩な道具立てを駆使し、人物の造形にも怠りのない精緻な本格ミステリ。

No.2 5点 HORNET
(2015/08/14 12:06登録)
 電車のホームで、主人公の目の前でホームに落ちて死んだ女性。それは、亡き父が「殺した」とされていた女性だった。父親を殺人犯とされ、故郷を追われて暮らしていた主人公。自身の結婚生活もうまくいかず心が病み、たびたび湧き起る妄想・夢想に、薬を服用して逃げながら生活していた。そんな主人公が女性の死を機に故郷に戻り、過去と向き合う決意をする―。
 村を拓いた偉人を祭る祭事、水を引く穴堰、地元で崇めれられている名家など、土着的な旧村を舞台とした本格ミステリ。関わる人物の言動や残された写真などから、気付かれなかった真実が徐々に明らかになっていく展開は読みごたえがあり、ミステリの魅力は十分にあるといえる。
 ただ、まさむねさんが書いている主人公の夢(妄想?)の部分は、私は「難」のほうの評価。随時挟まれているが読むのが煩わしく、一番の難点は真相解明に不要であったこと。京極夏彦の同じような構成だと苦に感じないのに、なぜだろう・・・。

No.1 6点 まさむね
(2014/08/16 19:10登録)
 近年は非ミステリ作品も多い作者ですが,この作品は,作者の初期作風を思い起こさせ,ファンとしては懐かしさとともに(?)引き込まれました。過去と現在,夢と現実が入り混じった構成,舞台が地方の寒村,向日葵とか蜘蛛も登場して…って,初期の複数の作品が思い浮かびますよねぇ。
 というわけで,ちょっと過度に期待を膨らまして読んでしまったのかも。いや,確かに作者らしい展開だし,少なくとも現実の風景&人物描写はイイのだけれども…この点数くらいにしておきます。
 ちなみに,悪夢の描写は結構くどくて読み飛ばしたくなりました。無論,この部分が特徴といえば特徴なのですが…。この点については,好き嫌いがハッキリと分かれると思いますね。

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