home

ミステリの祭典

login
東京島

作家 桐野夏生
出版日2008年05月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 4点
(2014/12/26 10:05登録)
谷崎潤一郎賞受賞作。
普通の長編だと思っていたが連作短編スタイルの小説だった。
解説によれば、最初は文芸誌「新潮」への掲載で読み切りだったらしいが、それが連作形式で続いたということ。
この解説を先に読んでしまったので、純文学のように、だらだらと話が進み、落ちもなく終わるのだろうと想像していたが・・・・。

舞台は無人島。そこへ種々雑多な人たち(女一人、男30人)が漂着し、生活していく。サバイバルものだが、冒険小説みたいなのではなく、あくまでも漂着者たちの人間模様が中心に描いてある。

第一章は夢中になって読んだ。「猿の惑星」のような、ちょっとした落ちもあった。
でも想像したのとはちょっとちがうなぁ。見た目はエンタテイメントなんだけどね。期待しすぎたのか。
小説を楽しむというより、自分に置き換えて読む楽しみ方のほうが大きい。なんの文明もない島で、はたして生きていけるのだろうか。トカゲを食べられるかなぁ。自分は早々と死んでしまう隆なのか、それともずるく図太く生きる清子やワタナベなのか、と考えてしまった。

雑誌連載でここまで書ければ十分だとは思う。ただ、エンタメ、ミステリーを望む人にとっては、もっとしっかりプロットを書いてくれ、と言いたくなる。

No.2 5点 haruka
(2013/08/07 16:12登録)
極限状態のなかで、主人公の清子が女であることを武器に生き残っていく物語。って、これ実際にあった事件なんですね。

No.1 7点 itokin
(2013/08/07 09:00登録)
無人島に漂着した数グループ、20数人が、いかに生き残り、現状から逃れようかと行動する物語。設定が現代なので少し無理がありいまいち溶け込めないが、物語の展開、人物のキャラクター、極限状態の表現等がしっかり書かれており最後まで楽しめました。
それにしても、あのドラム缶の中身は名だったのだろう?
(谷崎潤一郎賞受賞作)

3レコード表示中です 書評