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ミステリの祭典

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運のいい敗北者
ペリイ・メイスン

作家 E・S・ガードナー
出版日1957年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 弾十六
(2020/01/25 08:28登録)
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第52話。1957年1月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1956-9-1〜10-20)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の5作目。メイスンは匿名の依頼人から裁判を傍聴する役目で雇われます。轢き逃げ裁判で他の弁護士の反対尋問を見物。妥協せず戦うことの価値を説く、被告の叔父。人身保護に関する審理でメイスンは重要な争点を指摘し、陪審裁判では偽装を破れず追い詰められますが、閃きの一撃で鮮やかに解決します。遂にメイスンに勝てると見込んでわざわざ法廷に駆けつけたバーガー、真実が明らかになってもグズグズとメイスンの非行を非難する姿が哀れです。銃は.22口径の自動拳銃が登場、メーカー等詳細不明。なおThe Perry Mason Bookによると第12章に出てくる判例中の「クルーパ」はジャズドラマーのジーン クルーパだそうです。
(2017年5月3日記載)

No.1 6点
(2019/07/21 23:33登録)
冒頭に工夫を凝らしてくれることの多いシリーズですが、今回最初の依頼は、ひき逃げ事件裁判を傍聴して、意見を聞かせてくれというもの。ところがそれが実は殺人事件だったことが後でわかるというのは、まあよくある展開と言えるでしょう。
殺人事件裁判が始まった直後にメイスンが提示する法律上の問題点には、死体再調査の時点で疑問を感じたのですが、メイスンに指摘されるまで法律の専門家である裁判官や検事がそれに気づかないのは、あり得るのかなと思ってしまいました。これは他にも例があるアイディアですが、なかなかおもしろい使い方です。最終的な真相は、これも有名アイディアのヴァリエーションですが、手順にちょっと煩雑すぎるところはあるものの、かなり鮮やかに決まっています。
それにしても今回のバーガー検事は、ただ間抜け役を演じるために裁判の最後の方で登場するだけ。この人初期には厳格さが好感の持てる検事だったんですが。

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