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ミステリの祭典

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運のいい敗北者
ペリイ・メイスン

作家 E・S・ガードナー
出版日1957年01月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2024/12/08 20:58登録)
(ネタバレなしです) 1957年発表のペリイ・メイスンシリーズ第52作の本格派推理小説です。序盤から法廷シーンに突入しますがそのきっかけはメイスンが謎の依頼人から依頼されてひき逃げ死亡事故の公判を傍聴人として見学するという、ちょっと捉えどころのない展開です。被害者の素性が曖昧だし被告が有罪か無罪かも曖昧のまま物語が進みます。第12章でメイスンが過去の凡例を挙げて判事や検事を煙に巻く場面はこの作者ならの法廷テクニックですね。事件の真相には初期シリーズ作品で印象的だった仕掛けが再利用されていますが、緻密な謎解きの初期作品と比べると本書は大いなる偶然ばかりが目立ってしまったように感じました。ところでタイトルの「運のいい敗北者」って誰の事なんでしょう?私にはわかりませんでした。

No.2 6点 弾十六
(2020/01/25 08:28登録)
ペリーファン評価★★★★☆
ペリー メイスン第52話。1957年1月出版。ハヤカワ文庫で読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
Saturday Evening Post連載(1956-9-1〜10-20)ポスト誌集中連載時代(10年間に14作)の5作目。メイスンは匿名の依頼人から裁判を傍聴する役目で雇われます。轢き逃げ裁判で他の弁護士の反対尋問を見物。妥協せず戦うことの価値を説く、被告の叔父。人身保護に関する審理でメイスンは重要な争点を指摘し、陪審裁判では偽装を破れず追い詰められますが、閃きの一撃で鮮やかに解決します。遂にメイスンに勝てると見込んでわざわざ法廷に駆けつけたバーガー、真実が明らかになってもグズグズとメイスンの非行を非難する姿が哀れです。銃は.22口径の自動拳銃が登場、メーカー等詳細不明。なおThe Perry Mason Bookによると第12章に出てくる判例中の「クルーパ」はジャズドラマーのジーン クルーパだそうです。
(2017年5月3日記載)

No.1 6点
(2019/07/21 23:33登録)
冒頭に工夫を凝らしてくれることの多いシリーズですが、今回最初の依頼は、ひき逃げ事件裁判を傍聴して、意見を聞かせてくれというもの。ところがそれが実は殺人事件だったことが後でわかるというのは、まあよくある展開と言えるでしょう。
殺人事件裁判が始まった直後にメイスンが提示する法律上の問題点には、死体再調査の時点で疑問を感じたのですが、メイスンに指摘されるまで法律の専門家である裁判官や検事がそれに気づかないのは、あり得るのかなと思ってしまいました。これは他にも例があるアイディアですが、なかなかおもしろい使い方です。最終的な真相は、これも有名アイディアのヴァリエーションですが、手順にちょっと煩雑すぎるところはあるものの、かなり鮮やかに決まっています。
それにしても今回のバーガー検事は、ただ間抜け役を演じるために裁判の最後の方で登場するだけ。この人初期には厳格さが好感の持てる検事だったんですが。

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