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ミステリの祭典

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法螺吹き友の会

作家 G・K・チェスタトン
出版日2012年10月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 4点 ボナンザ
(2019/06/02 18:11登録)
これまた重度のチェスタトンマニア向け。
付録の三篇の方が読みやすいが、ブラウン神父ものはちょっとひねりがなさすぎるだろうか。

No.2 5点 弾十六
(2018/10/28 16:33登録)
連作短編集「法螺吹き友の会」(Tales of the Long Bow 連載Storyteller 1924.6-1925.3、単行本Cassell 1925): 推理・探偵ものではありません。英語の言い回しが鍵なので、翻訳が難しい作品だと思いました。静かに狂い突発的に実行する登場人物(奇妙な行動には深い訳がある)は作者の十八番ですが、この作品ではその発想に共感出来ず、変てこな寓話になっています。風刺の元ネタが実はあって、それを知れば理解出来るのかも… でも訳者も何も書いていないのでよく判りません。(3点)
併録の三短編:
単行本未収額のブラウン神父もの「ミダスの仮面」(1936)神父の現代に対する愚痴が聴けます。(4点)
他二編は、単発もの。見かけに騙される事なかれ、というテーマは共通で、夕方の情景が印象深い「キツネを撃った男」(1921)も良い(5点)のですが、探偵小説を完全否定する探偵小説「白柱荘の殺人」(1925)がとても面白かったです。(8点)

No.1 5点 kanamori
(2012/11/25 21:42登録)
本書には表題作の連作長編と3つの短編が収録されています。
出て来る人物が次々と奇矯な行動と言動をくり返す表題作「法螺吹き友の会」はミステリとはいえないだろう(強いて言うなら社会風刺小説?)。帽子の代わりにキャベツを頭にかぶる大佐の話については説明が付くのですが、空を飛ぶブタのエピソードになると意味不明。作者自身が再三”耐えがたい読書”とか”読者に苦痛を味わっていただこう”と書いているので、これは確信犯です。
一方、短編はいずれもミステリで、なかでは「白柱荘の殺人」が面白かった。意外な犯人像は、逆説と警句にあふれた名探偵もののパロディと読める。
死の床で書いたとされる”ブラウン神父最後の事件”「ミダスの仮面」は、出来はいまいちですが、これは読めただけで満足です。

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