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ミステリの祭典

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空耳の森

作家 七河迦南
出版日2012年10月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 7点 じきる
(2021/06/17 12:58登録)
七河ファンならこれも必読でしょう。
細やかな伏線が心地良いですね。

No.2 6点 まさむね
(2013/01/30 23:14登録)
 前作「アルバトロスは羽ばたかない」において,私に極めて鮮烈な印象を与えてくれた作家。さてさて,最新作は?との気持ちで何の事前情報もなく読み進めた訳ですが…実に書評が難しい!何を書いても(私が思うところの)面白味を削ぐような気がしまして…。

(以下の記述は,重大なネタバレは避けてますが,真にこの作品を楽しみたい方にはオススメしません。)
 中盤くらいまでは,ノンシリーズの短編集といった趣です(特に「アイランド」などは単独でも一定の評価をしたくなる出来栄えだけに)。しかし,中盤以降はやや趣が変化し,終盤に至って連作短編としての姿が見えてきます。この「繋がってる!」という発見感が爽快で,幾度か読み戻りました。各短編を時系列に並べ直したりする楽しみも。
 また,この作品のみでも一応は楽しめると思うのですが,七海学園シリーズ,少なくとも前作「アルバトロスは~」は既読であることが望ましいです。(ちなみに,私は前作は既読でしたが,デビュー作「七つの海を~」は未読。そのため一部分かりにくい点も…)つまり,「繋がってる!」のはこの短編集内のみならず,前作を含めたシリーズ全体というわけです。感慨深いラストなのですが,これも前作あってのもの。連作短編が巧みな作者だなぁ。

No.1 6点 kanamori
(2012/12/08 11:55登録)
ネタバレなしで寸評することがちょっと難しい短編集。

全部で9編収録されていますが、「冷たいホットライン」「アイランド」「It's only love」「悲しみの子」の前半の4編は、それぞれ意識的に作風を変えており、ラストにイメージが反転するサプライズを仕込んでいて、単品で読んでも十分面白い。
後半の作品になると、本書全体の仕掛けのためと思われる叙述方法が鬱陶しく感じられ素直に読み込むことができなかった。
最終話の手旗信号をはじめ色々と手がかりがありますが、要は”復帰の物語”ということでいいのかな? まあ確実に言えるのは、前2作を読んでないと「なんのこっちゃ!」状況になるということ。

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