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ミステリの祭典

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死者の書

作家 ジョナサン・キャロル
出版日1988年07月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 斎藤警部
(2022/04/26 11:44登録)
ファンタジーの手助けがあるとは言え、大反転を踏まえての最終コーナーはなかなかにショッキング・・・と手放しで称賛し難いのは、そこに至るまでの物語のお膳立て?盛り立て?が惜しむらくも湿気ってて。。まあそんなもんが眼目たる作品でなさそうなのは承知ですが、ストーリーが進むにつれ快いヴァイブを感じなくなって来てですね。。出だしからの微妙な空気で押せ押せは好きで、期待もしたんだけど、いつの間にやら別の意味の微妙な空気に、徐々に、文章に潜む妖精さんたちが我が心の琴線を逸れてしまったのでしょうか。折角の謎やら違和感らしきものが今ひとつ、興味津々の事象として迫って来なくて。。登場人物群の人間関係の縺れも、なんだか滲みないし意外性も薄い。(そういう所を中心に愉しむお話じゃあないんでしょうけど) 退屈であくびと涙が出てしまうところも結構あったな。 まあ、言うても反転&結末はハードで重いですよね。そこだけ摘出して見ればね。。(エピローグのラスト、本来なら衝撃の締めになろう所が・・!) 有名俳優の息子が、敬愛する童話作家の伝記本執筆のため、同好の女子と連れ立って作家の故郷を訪ねる所から始まる物語設定は、適度に突飛で面白いんだけどっねー。。 それでもガッツリ堂々の5点。 作品に、沸々と迫る底力を感じるからです。

No.2 8点 tider-tiger
(2014/06/20 19:12登録)
ミステリではなく、ホラーとファンタジーが混ざったような作品です。9点を付けたいのですが、ミステリではないので減点しておきます。
超有名俳優を父に持つ情緒不安定な高校教師の男が自分の大好きな作家の伝記を書くために、その作家が生前住んでいた町を恋人と二人で訪れます。町の人から歓迎されて、尊敬する作家の娘と親しくなって、とんとん拍子に事は運んでいるように思えますが、この町はなにかがおかしいと主人公は気付きます。そして……。

この作品は特定の作家への愛着、執着を切実なまでに描き切っています。自分もマーシャル・フランスという作家の作品をぜひ読んでみたいと思ったほどです。主人公がのちに恋人となる女性と古本屋で本を奪い合う?場面などはニンマリしてしまいます。
また、父子の物語としても秀逸でした。有名人を父に持ってしまったせいで自己を確立し損なった男。あまり好ましい人物ではありませんが(特に女性にとって)、彼がそうなってしまった理由は理解できます。自分を間接的に苦しめた父親を彼は誰よりも愛しているのです。
そして、ここにファンタジー要素も加わって、これらが結末に向けて一つに収束していくさまも見事だと思いました。

※かなり癖のある作家なので、まるで受け付けないという方もけっこういると思います。自分は五人の友人にこの本を貸しましたが、うち二人からははっきりと拒絶されました(二人とも女性でした)。

No.1 3点 ボナンザ
(2014/04/08 21:11登録)
主人公の身勝手さと馬鹿さ加減にいらいらさせられる。
それほど怖くはない。

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