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ミステリの祭典

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キリオン・スレイの復活と死
キリオン・スレイシリーズ/旧題『情事公開同盟』

作家 都筑道夫
出版日1977年10月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2022/04/05 07:59登録)
(ネタバレなしです) 1974年の出版当初は「情事公開同盟 新キリオン・スレイの生活と推理」だったキリオン・スレイシリーズ第2短編集で7作のシリーズ短編を収めています。個人的に好きなのは推理合戦風の「なるほど犯人はおれだ」と「密室大安売り」。特に前者はkanamoriさんもご講評で賞賛されていますけど論理的な推理が充実しています。推理の切れ味はいまひとつの感がありますが、ビルの八階の窓の外にしがみついて夫を殺したと自供する女という本格派らしからぬ場面で始まる「八階の次は一階」も印象的です。「キリオン・スレイの死」は暴力団がらみのハードボイルド風なのが異色ですが、ハードボイルドとしても本格派推理小説としても中途半端に終わってしまったような気がします。

No.1 6点 kanamori
(2012/10/13 13:10登録)
自称・前衛詩人の変なアメリカ人、キリオン・スレイが探偵役の連作シリーズ第2弾。
ミステリ的には不可解で魅力的な謎の提示に対して、解決が肩透かし気味なものも散見されますが、スタイリッシュで都会的雰囲気が読み心地がいいですし、覚えたての日本語の慣用句を誤使用するスレイのとぼけたユーモア部分も面白いです。
収録作の中では、警察監視下のバーのトイレが現場の三重密室もの「密室大安売り」がハウダニットものの良作。伏線の出し方が巧妙です。
「なるほど犯人はおれだ」は、殺人現場の証拠物件からキリオン・スレイを犯人と指摘する大学生によるダミー推理のほうがロジカルなような(笑)。

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