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ミステリの祭典

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仮面
風水火那子

作家 山田正紀
出版日1998年02月
平均点6.25点
書評数4人

No.4 6点 虫暮部
(2024/11/13 12:36登録)
 犯人と被害者、現実と回想、書き手と読み手。様々な境界線が融解融合する騙りに楽しく幻惑された。記号論的転換によるホワイダニットも、この世界観なら説得力充分イヤ寧ろ斯くあるべしと言う感じ。タマネギの件をダミーに使ってしまうとは贅沢な。
 ▲▼を用いたアレは戴けない。あまりにあからさまだし、テキストが長過ぎ。

No.3 5点 メルカトル
(2023/07/31 22:10登録)
「最初の殺人事件が起こったときに、すぐに警察に連絡していたら、第二、第三の事件は防ぐことができたかもしれない、そうおっしゃるのですか?(中略)私が犯人なのです、刑事さん」―その晩、経営難に陥ったクラブのお別れの仮装パーティに、男四人、女三人が集まり、完全密室の店内で惨劇は起こった。冒頭で早くも犯人が確定?本書全体に仕掛けられた大どんでん返し!読者を欺く名(?)探偵・風水火那子シリーズ第二弾。
『BOOK』データベースより。

うーん、何だかモヤモヤした読後感ですね。その原因の一つは複雑な構成にあると思います。自転車と自動車の追跡劇は一体何だったのかとか、ある人物に対する叙述とか、地の文、手記、回想の展開の速さ等ですかね。これらが混然一体となって、ややこしさが先に立ってしまって、纏まりに欠ける印象が凄く強いです。

手記の仕掛けは目新しさを覚えますが、それも小手先のトリックとしてしか見られない感もあります。まあ、一般受けはしないでしょう。最初にミステリを読んだのがこれだったら、ミステリをもう読みたくないと云う人が多いんじゃないですかね。余程の作者のファンならともかく、あまりお薦めは出来ない作品です。

No.2 7点 なの
(2008/02/17 22:26登録)
風水火那子再登場の一編。
このキャラ好きなんで、その点は素直に嬉しいですね。
途中の手記のトリックは流石に分かりました。
でもあれって、記号入れると分かりやすいし、
入れないと流石に分からないっつーかアンフェア・・・難しいですよね。

No.1 7点 由良小三郎
(2002/02/22 21:10登録)
僕にとっては超難解な小説でした。文章がうまいので読み進められたのですが、複雑な構成と非現実的な挿話など、作者の意図が理解できませんでした。それでも雰囲気あるので作品として成立してるのは間違いないのですが、これは一体なんだろうという感想です。

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