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ミステリの祭典

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カラット探偵事務所の事件簿②
カラット探偵事務所シリーズ

作家 乾くるみ
出版日2012年07月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 3点 E-BANKER
(2017/01/09 22:55登録)
恐らく静岡県にある(と思われる)架空の街・倉津市を舞台に、探偵・古谷と助手・井上の同級生コンビが活躍するシリーズ第二弾。
2012年の発表。
今回もなかなか緩~い“謎解き”作品となっています。

①「小麦色の誘惑」=寝ている間にハートマークの日焼けあとを付けた犯人を探すという、初っ端から実に緩い作品。しかも真相がコレとは・・・。気の短い人なら、ここで「やーめた」ってなるかもね。
②「昇降機の密室」=今回は過去の有名作のパロディ?っていう作品も多いのだけど、これはやっぱりアレを意識してるんだろうねぇ。密室つながりといい・・・。ここれ「やーめた」という方も多いかもしれないけど・・・
③「車は急に・・・」=これも新聞の三面記事で出てきそうな、実に下世話な話だな。これで商品の値段そのものをサービスするっていうのは聞いたことないけどね。
④「幻の深海生物」=これ読むまで、倉津市っててっきり「沼津市」のことだと思ってたけど、倉津VS沼津なんて意味で書かれてるんで、「違うんだぁ」って思った次第。本筋とは全く関係ありませんが・・・
⑤「山師の風景画」=一種の暗号ものと言えなくもないけど、これも不満だらけの一編。ここまで来ると、やめないで読んでる方がスゴイかも。
⑥「一子相伝の味」=ラストの表現からすると、古谷の推理は当たってたわけだよな?
⑦「つきまとう男」=唯一、作者らしい「企み」が発揮されたラスト一編。これは前作(事件簿①)を読んでないと「??」にしかならないけどね。

以上7編。
前作は一応連作らしい仕掛けがあったんだけど、本作は各編独立した作りで、連作らしいアイデアはほとんどなし。
これじゃ読み飛ばされても仕方ないっていう作品が並んだ感じだ。
もう少しできるだろう・・・作者ならば!!

広~い心を持った方のみ手に取ることをお勧めします。
普通の人にとっては、“時間のムダ”ということになる可能性大。
(ちょっと言い過ぎかな?)

No.2 5点 まさむね
(2013/10/05 21:26登録)
 シリーズ第2弾も連作短編形式です。
 いきなりの脱力系ネタ2連発の時点で,このまま読み進めるべきなのか,ちょっと迷ってしまいました(笑)。
 でも,その後,小粒ながら「なるほどねぇ」的な短編もありましたので,多少は救われたかな。
 いかにもこの作者らしい,最終話のラスト2行も好みですねぇ。シリーズ前作を読んでから,この短編集を手にすることをオススメします。

No.1 6点 kanamori
(2012/09/10 22:23登録)
資産家の三男坊で道楽で”謎解き専門”の探偵事務所を開いた探偵・古谷と、高校の同級生だった「俺」こと助手・井上のコンビによる連作ミステリ、シリーズの第2弾。

同じ方向を向いたネタで、真相に脱力必至の「小麦色の誘惑」と「昇降機の密室」をはじめとして、緩い謎解きが並んでいて、個々の作品の出来は4点評価ぐらいかなと思っていましたが、最終話で2点プラスです。読み流していると、キモの部分を読み誤る可能性があるという点で「イニ・ラブ」に似た味わいがあります(シリーズ前作の最後のエピソードが前提になりますが)。「つきまとう男」というタイトルの意味と、最後の2行でヤラレタ感あり。

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