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ミステリの祭典

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阿弥陀
風水火那子

作家 山田正紀
出版日1997年11月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 7点 虫暮部
(2024/10/18 10:59登録)
 “巨大な密室” は、その密室性の完全さについて読者は確信しづらい(ので、作品の謳い文句としては逆効果なのでは?)。本作の真相だって、要は抜け道があっただけと言えなくもない。ただ、そのちょっとした脱力感へ導く為に謎を丁寧に解体する手捌きが格別。派手な装飾は無いのに脳細胞が刺激される。♪とぼけた顔してバンバンバン~、と言う感じだ。

No.2 6点 メルカトル
(2020/10/09 22:21登録)
「恋人がエレベーターに乗ったまま戻ってこない」という男の訴えを聞いた警備員がビル内を捜すが女の姿はなかった。監視カメラの目をかいくぐり、ビルの外に出ることは不可能な状況。女の行方は、そしてなぜ姿を消したのか。本格ミステリーのひとつの到達点と称された傑作長編。
『BOOK』データベースより。

クイズやゲーム感覚で楽しめる本格パズラー。前置きなしにいきなりOLが密室状態のマンションから消えます。そして章ごとに謎が増え続け、一旦解決したりもしますが、肝心の謎は謎のままで、最終的にハウとホワイが残ります。怪しげな教祖の異臭騒ぎや銀行の騒音から全く別の事件が発覚し、ストーリーに広がりと変化が生まれます。舞台が固定されているので、その辺りの気遣いは嬉しいところ。

探偵役の風水火那子が提唱する仮説は、自身により否定され、謎=伏線が増えるばかりでなかなか真相に達しません。そして意外な事件の様相はかなり肩透かしを喰らった感じで、ここで評価は大きく分かれることになるでしょう。人間消失の方法はともかく、ホワイの方は俄かには納得し難いのではないかと思われます。
悪く言えば竜頭蛇尾でしょうが、途中の畳みかける謎の数々には眩暈がするほどで、パズラーとして、また多重解決物として十分に納得の出来ではないかと思います。

No.1 2点 TON2
(2012/12/11 19:25登録)
幻冬舎
 完全に管理されたビルのエレベーターから女性が一人行方不明になる。
 ビルの監視カメラの映像の手違いから一時隣のビルと入れ替わるなど、ご都合主義が多すぎて、楽しめませんでした。

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