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ミステリの祭典

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トラップ・ハウス

作家 石持浅海
出版日2012年05月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 たかだい
(2024/11/19 23:32登録)
様々な罠が張り巡らされたトレーラーハウスに閉じ込められた男女による脱出と謎解きの物語
トレーラーハウスに仕掛けられた罠が、画鋲だったり針だったり、乗ったら足が取れる椅子やら、潜り込むと天板が落ちるテーブル等々、なんとなく痛みが分かりやすい罠ばかりなのが嫌らしいというか、変に凝った罠じゃないのが妙にリアリティがある感じ
サスペンスの度合いと、話を一気に読ませる文章は個人的には文句なし
ただ、終盤からラストまでがとにかく勢い任せ!って感じが濃く、謎解きという意味ではイマイチ
もっとも、(これは作者・石持浅海の作品全般に言える事な気はしますが)ライトな語り口で一度読み始めたら一気読みさせてくれる勢いがある作品でしたので、期待した通りには楽しめた満足のいく1冊ではありました

No.2 5点 E-BANKER
(2015/02/10 23:04登録)
(サイトがリニューアルされててビックリ!!)
2011年発表の長編。
作者の「デビュー十周年記念作品」として発表された作品とのことで、作者らしい「企み」が詰まっている(のか?)

~大学の卒業旅行としてトレーラーハウスでの一泊キャンプを計画した同級生の男女九人。だがドアを閉めた瞬間、トレーラーハウスは脱出不能の密室と化した。混乱のなかひとりが命を落とし、悪意に満ちたメッセージが見つかる。次々と襲いかかる罠を仕掛けたのはいったい誰か? 果たして生きてここから出られるのか? 本格ミステリーの原点に立ち返った著者の新たなる傑作~

ありそうなプロットといえばプロットだと思う。
密室の中で次々と襲いかかる罠に立ち向かうというサスペンス性と、フーダニット・ホワイダニットを効かせた本格ミステリーとがうまい具合に融合され、魅力的なプロットとなっている。
紹介文を読んだときは、岡島二人の「そして扉は閉ざされた」的な奴を想像していたのだが、どちらかというと、それと作者の出世作「扉は閉ざされたまま」とを混ぜ合わせたような感じというのが近い。

ただ、「扉は・・・」と比べると、作品としてプロットの切れ味は落ちる。
「扉は・・・」は倒叙だったから、当然フーダニットの面白さが加えられているはずなのだが、どうもそこがスッキリしない。
探偵役のひとりが真犯人を指名するロジックも甚だ根拠が薄弱で、読者からすると「そこっ!?」っていう突っ込みを入れたくなる。
動機もなぁ・・・序章でいかにも「それらしい」場面が挿入されているので、ある程度読者は想像しながら読み進めているけど、ラストの真犯人の「大暴れ(!)」を引き起こすほどのインパクトはないような気が・・・

というわけで、舞台設定はたいへん魅力的なのだが、ちょっと活かしきれなかったという印象。
枚数制限のなかで書いた作品なのかもしれないが、こういう“いろんなものを”詰め込んだ作品というのは長すぎてもいけないし、短すぎてもいけない気がして難しい。
軽い気持ちで通勤時間に読むのならばちょうどいい・・・のかも。
(ラストの場面を書きたかったから「トレーラーハウス」なんてことにしたのか?)

No.1 7点 ayulifeman
(2013/01/20 12:50登録)
大学の卒業旅行でトレーラーハウスに閉じ込められたなかよし男女のグループが時間を追って発動するトラップに右往左往。
狭い舞台の割に登場人物が多い印象です。
一気読みでした。

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