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ミステリの祭典

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張り込み姫
君たちに明日はない3

作家 垣根涼介
出版日2010年01月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 メルカトル
(2021/10/03 22:58登録)
「一生の仕事なんて、ありえないんじゃないんですか?」変わり続ける時代の中で、リストラ面接官の村上真介が新たにターゲットとするのは―英会話スクール講師、旅行代理店の営業マン、自動車の整備士、そして老舗出版社のゴシップ誌記者。ぎりぎりの心で働く人たちの本音と向き合ううちに、初めて真介自身の気持ちにも変化が訪れ…仕事の意味を再構築する、大人気お仕事小説シリーズ第3弾。
『BOOK』データベースより。

正にプロの仕事ですね。そつがないです。適度な感動と人間ドラマ、キャラの親しみやすさなどは流石の一言です。表題作よりも個人的に『みんなの力』や『やどかりの人生』の方が面白かったですね。仕事に対する被面接者のスタンスや様々な業種の在りようを通して、社会問題にも触れたりして勉強にもなります。
何と言っても本シリーズは面接官の村上と被面接者との対決が見どころなのですが、それよりもそれぞれの人生を背負って己の進路をどう選択していくのかという、社会の片隅で生きている被面接者のリストラに対する真摯な姿勢が生々しく描かれて好感が持てました。

又、全編ちょっとしたサプライズがあり、物語にスパイスを加えていてその意味でも期待を裏切りません。ワンパターンになりがちな素材を上手く料理して、読者を飽きさせないサービス精神に溢れた良作ではないかと思います。とにかく読ませますが、どうしても予定調和に終わってしまう点はやむを得ないでしょう。

No.2 6点 itokin
(2016/09/16 16:03登録)
前作の2作が感慨深い作品だったので釣られて呼んだが、リストラの対象職種が特異な分野にかかってきたのか感情移入が薄れた感がある。しかし、表現力は相変わらずでそれなりに面白く読まされた。

No.1 6点 makomako
(2012/05/03 09:00登録)
久しぶりの君たちにシリーズの第3弾。
 第1作はとても面白かったが、第2弾3段とだんだん新鮮味がなくなってきた。主人公の村上のキャラクターもだんだん揺れてきているように感じる。
 やはりこういったお話は作者に若さとパワーが必要なのかもしれない。
 4つのお話のうち「みんなの力」がよかった。これだけだったら私の評価は8点か9点ぐらいのなのだが、他の作品が平凡なので全体の評価はこのぐらいかな。
 以前の垣根氏の圧倒的なパワーに期待したいのですが、本作はどうも力が感じられない。このシリーズはもうおしまいとしたほうがよいかもしれませんね。

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