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ミステリの祭典

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この謎が解けるか?鮎川哲也からの挑戦状1

作家 鮎川哲也
出版日2012年02月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 HORNET
(2020/09/06 19:28登録)
 昭和の時代にテレビで放映された犯人当て番組の台本(?)を書籍化したもの。昭和の「推理小説」的な興趣、当時のテレビの雰囲気が楽しめた。
 短時間のテレビ視聴者向けのため、藤原宰太郎の推理クイズ本のような謎の質・レベルであり、その点で評価を高くすることはできないが、上に記したような感覚で、鮎川哲也の軌跡や時代を楽しむ娯楽として評価させてもらった。
 もちろん、自身で推理を巡らす行為自体も楽しかった。

No.1 6点 kanamori
(2012/04/04 18:14登録)
昭和30年代に放映されたNHKの名番組「私だけが知っている」から、鮎川哲也が脚本を書いた7編をピックアップしたもの。シナリオとはいえ、今の時代に鮎哲の”初出作品”を読めるとは思わなかった。

「白樺荘事件」は、人物の特性(=左利きとか色盲とか...)をネタに、ロジカルな消去法推理で犯人を特定していく作者お得意のパターンの作品。これはなかなかの良作だと思う。
「遺品」は、映像作品ならではの伏線がイラストになっているので真相が分かりやすいか。逆に、「俄か芝居」はイラストが誤誘導になっていて巧い。完全に騙された。
鬼貫警部と丹那刑事が登場する「アリバイ」の”時刻表トリック”は伏線不足の感があるが、作者の通読者ならピンと来るかもしれない。
「茜荘事件」と「弓矢荘事件」は共に犯人特定のロジックが弱いと感じた。徳川夢声探偵長からクレームがつきそう。

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