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ミステリの祭典

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この謎が解けるか?鮎川哲也からの挑戦状1

作家 鮎川哲也
出版日2012年02月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 人並由真
(2024/08/08 20:59登録)
(ネタバレなし)
 数時間ほど、自宅以外の屋内で機械を操作して作業する流れだったので、その操作の合間にと、持ち出して読む。
 本そのものは、半年くらい前にブックオフの100円棚で見つけて購入したもの。

 シナリオ形式なのはこの作品(作品集)の場合、読みやすいような、そうでないような……という感じだが、完成されて放送された番組の枠の関係か、登場人物の頭数が総じてそんなに多くないのはリーダビリティが高い。

 何本か犯人や真相を当てようと思って読むと、こちらの思いついた段階は、そう思うでしょ? 実は違うんですよ、とそこからさらにひねってあることも多く、その辺はさすが作者。
(単純にこちらの読み込みが浅い、張られた伏線を見落としている、などということもままあったが・汗)

 映像としてはたぶんもう再見が叶わない番組の面白さに触れられる、貴重な一冊。資料的な価値としても高い一冊である。
 
 新規に作画のイラストが、編集側の思惑をあれこれ感じさせてちょっとオモシロイ。

No.2 6点 HORNET
(2020/09/06 19:28登録)
 昭和の時代にテレビで放映された犯人当て番組の台本(?)を書籍化したもの。昭和の「推理小説」的な興趣、当時のテレビの雰囲気が楽しめた。
 短時間のテレビ視聴者向けのため、藤原宰太郎の推理クイズ本のような謎の質・レベルであり、その点で評価を高くすることはできないが、上に記したような感覚で、鮎川哲也の軌跡や時代を楽しむ娯楽として評価させてもらった。
 もちろん、自身で推理を巡らす行為自体も楽しかった。

No.1 6点 kanamori
(2012/04/04 18:14登録)
昭和30年代に放映されたNHKの名番組「私だけが知っている」から、鮎川哲也が脚本を書いた7編をピックアップしたもの。シナリオとはいえ、今の時代に鮎哲の”初出作品”を読めるとは思わなかった。

「白樺荘事件」は、人物の特性(=左利きとか色盲とか...)をネタに、ロジカルな消去法推理で犯人を特定していく作者お得意のパターンの作品。これはなかなかの良作だと思う。
「遺品」は、映像作品ならではの伏線がイラストになっているので真相が分かりやすいか。逆に、「俄か芝居」はイラストが誤誘導になっていて巧い。完全に騙された。
鬼貫警部と丹那刑事が登場する「アリバイ」の”時刻表トリック”は伏線不足の感があるが、作者の通読者ならピンと来るかもしれない。
「茜荘事件」と「弓矢荘事件」は共に犯人特定のロジックが弱いと感じた。徳川夢声探偵長からクレームがつきそう。

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