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ミステリの祭典

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ルー=ガルー2 インクブス×スクブス 相容れぬ夢魔
ルー=ガルー

作家 京極夏彦
出版日2011年10月
平均点8.00点
書評数3人

No.3 8点 じきる
(2021/10/21 13:39登録)
これは『邪魅の雫』の続編とも言える作品ですね。
前半のバラバラな伏線を活かした、後半戦怒涛のストーリー運びは前作を超える面白さです。美緒や歩未のヒーローっぷりに拍車がかかっているのも清々しくて良い。

No.2 7点 メルカトル
(2019/10/21 22:40登録)
少女達を襲ったおぞましい事件から3カ月が経った―。前回の事件の被害者・来生律子のもとを、謎の毒を持った作倉雛子が訪ねてくる。彼女は小壜を律子に託し姿を消す。未知なる毒の到来は、新たなる事件の前触れなのか!?突如凶暴化する児童達。未登録住民の暴動。忌まわしき過去の事件を巡る、妄執と狂気と陰謀。すべての謎が繋がるとき、少女達は新たなる扉を開く!戦慄の近未来ミステリ。
『BOOK』データベースより。

読んでも読んでも一向に話が見えて来ない。丁度半分辺りで漸くおぼろげながら徐々にその全容を現し始めます。中盤までどの辺りに焦点を置いているのかがはっきりしないので、それなりに読むのに忍耐が必要となりました。結構長いですしね。
構造としては京極堂シリーズを近未来(2035年)に移し、主人公を少女たちに置き換えた感じだと思います。最終的には重要人物の少女の一人都築美緒が「あたしは説明が苦手なんだ」とか言いながら、京極堂の役割を果たし延々と事件のあらましを説明します。役どころとしてはどう考えても榎木津なんですけどね。尚、私が想像していたようなバトルやアクションはほとんど見られません。

予想していたよりもかなり本格ミステリ色が濃いです、設定はSFで物語はファンタジーなんですが、核となる陰謀がいかにも京極らしく、ラノベとは一線を画す作品となっています。SFだろうが何だろうが、文体はいかにもな京極節が炸裂します。そして何と言ってもクライマックスシーンの比類なき疾走感は凄まじく、流石に読ませるなあと感心することしきり。序盤では何度か断念しようかと思いましたが、結局読了出来たというか最後まで引っ張られた感じでした。それだけの筆力を備えている故だと思います。

No.1 9点 虫暮部
(2012/03/28 16:48登録)
 疾走のシーンで泣いてしまった私である。

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