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ミステリの祭典

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大いなる幻影

作家 カトリーヌ・アルレー
出版日1968年01月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 5点 蟷螂の斧
(2024/02/17 19:46登録)
遺産相続にかかるドタバタ劇。ラストの展開は、登場人物にとっては腑に落ちないはず。当然、読者も・・・(苦笑)

No.2 5点 斎藤警部
(2022/05/06 15:15登録)
莫大な遺産の相続人に指名された、老い先短い義母が、車で居眠り中、まさかの頓死! このままでは、義理の叔父が残してくれた全財産は慈善団体かなんかに行ってしまう! 咄嗟の機転で、義母の亡骸を隠しておいた車が、ドライヴ=インの駐車場で盗まれた!!。。という椿事から一気に加速する、昔の映画みたいな犯罪スラップスティック。時折ダークサイドオヴコメディ的翳りを付けようとした痕跡もあるが、実際それなりのアルレー的陰影も魅力なのだが、全体で見たらアッパーでとっ散らかったスットコドンドコ物語。(これ言うとネタバレになりましょうが、最後は悲劇っちゃ悲劇) 空さんご指摘の通り、最後にカッチリした意外な展開とか、せめて大オチとか、あれば良かったなあ。。まあ面白かったけど、読み捨てですね。 まるで男性作家が書いたかのような、酒場への愛情溢れる言説がそこかしこ混じるのは良かったです。 “一軒の居酒屋があるかぎり、仲間が集まってきて、酒になる。それだけでも、人生は生きるに値する。” 等々。 翻訳に、日本語というか日本文化に寄せ過ぎの傾向があり、ところどころ笑っちゃいました。 何気な楽屋落ち案件もあったな。  最後に、これはネタバレになりますが、邦題があまりにもネタバレそのものなんですが。。。。(なお原題は和訳すると「火かき棒」。こりゃ翻訳側の確信犯ですな。)

No.1 5点
(2014/04/13 10:39登録)
実はアルレー初読。この作者の、あらすじを読む限り典型的な二時間サスペンスっぽい印象に、今まで食指が動かなかったのでしたが、まあそれでも食わず嫌いのままでもいけないかなと、読んでみたのでした。
しかし、本作はアルレーにしてはどうやら珍しいタイプだったようで、完全にクライム・コメディーです。しかもクライム-犯罪と言っても殺人や強盗等の凶悪犯罪ではなく、遺産の不正取得というだけ。アメリカの伯父さんが残した遺産というのですから、ベタな設定もいいところです。文章も明らかに笑わせを意識した書き方で、最初に読むべきアルレー作品でないのは確かなようです。
そんな本作、思いがけない障害や、遺産取得作戦などユーモラスな展開はなかなか楽しめたのですが、最後5ページぐらいで突然訪れるオチだけは、いくら何でも平凡すぎました。もうちょっと意外な締めくくりはなかったのかなあ。

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