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ミステリの祭典

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寝台特急(ブルートレイン)八分停車
十津川警部シリ-ズ

作家 西村京太郎
出版日1986年04月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 まさむね
(2022/07/09 16:16登録)
 相当前に読んだはずなのですが、ほとんど記憶に残っていないので再読。
 腎臓結石で入院した亀井刑事が、夜のレントゲン室から漏れる男女の会話を耳にします。寝台特急は八分間停まる。八分あれば人殺しもできる。今週の日曜日には必ず奴を殺す。
 序盤から中盤まではグイグイと引っ張られました。中盤以降は、犯人が明らかなこともあって、ちょっと中だるみの印象もあったかな。ラストは、レントゲン室で自身の犯行を思わず叫んじゃうのかな?と思ったら、結構あっさりとした幕引き。亀井さんの石が早めに出てきてくれたことは良かったけどね。
 ちなみに、有名な話では、あるのですが、作者の、文章は、読点が、多すぎて、とても、読みにくいですよね。

No.2 6点 mediocrity
(2019/08/26 02:35登録)
2時間ドラマ原作のトラベルミステリとしてはかなり上質な部類だと思う。普通の推理小説としてもまずまず。
相変わらず話のつかみはうまい。犯人はわかりやすいが、埋まりそうなのに最後のピースがなかなか埋まらないのが良い。話のオチもユーモアがあって楽しい。
マイナス点は、頭脳明晰な医者が最後にあんな性急な行動をするのは解せないこと。まあ、ああでもしなければ話が終わらないから、仕方ないと言えば仕方ないんだけど。

No.1 6点 E-BANKER
(2012/03/02 22:26登録)
1986年発表のトラベルミステリー。最近、徳間文庫で再販されましたが、角川文庫の旧版で読了。
お馴染みの十津川警部・亀井刑事コンビが謎に迫る。

~ブルートレインの八分停車を利用して人が殺される! 亀井刑事は腎臓結石で病院にいるとき、レントゲン室で男が人を殺してやると言っているのを聞いた。該当するブルートレインは6本。十津川警部と亀井刑事は推理に推理を重ね、問題のブルートレインは「出雲3号」と推測したが・・・殺人、そして殺人。スピーディな展開と意外な結末。十津川と亀井の名コンビで贈る長編トラベルミステリー~

作者のトラベルミステリーとしてはまず上出来なレベルでしょう。
謎の中心は、京都駅での「出雲3号」八分間の停車と東京・四谷での殺人事件の関係。
これは中盤以降まで読者の興味を引っ張れるだけの魅力はあり。
京都駅で右往左往する亀井刑事もなかなか味わい深い。
ただ、真犯人も事件全体のプロットも終盤早々には判明してしまい、それ以降はかなりトーンダウン。
「動機」的には連続殺人を引き起こすほどのものだと納得できるが、そこまで差し迫っていたのかという疑念はかなり残った。

いわゆるトラベルミステリーに否定的な方は多いでしょうが、やっぱり「謎解き」をメインとした本格ミステリーには本来不向きなんだと思いますねぇ。
タイムリミットもののサスペンスというのが、一番向いてるジャンルなんだろうな。(氏の作品でいえば「札幌着23時25分」が代表例)
ということで、いつものとおり「旅のお供」というレベルでの評価。
(腎臓結石の亀井刑事をまるで恋人のように愛おしげに心配する十津川警部・・・気持ち悪い!!)

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