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ミステリの祭典

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死者を起こせ

作家 フレッド・ヴァルガス
出版日2002年06月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 6点
(2023/12/02 23:55登録)
ブナの木はなぜ植えられたのか。この冒頭部分の謎に対する答は、悪くないといったところでしょうか。意外な理由というわけではありませんが、無理やり感もありません。さらに犯人が仕組むあるトリックと結びついているところも評価できます。
最後60ページぐらいで、容疑者が次々に入れ替わっていくあたりもおもしろいですし、ダイイング・メッセージがしばらく発見されなかった顛末も、うまくできています。このメッセージ、確かにフランス語を知らないと、というかフランス語を知っていても実際にその文字を図で示してくれないと、説明されても、ああそうですかとしか言えませんが、まあいいでしょう。タイトルの言葉は、この多重解決部分で出てきます。ただ、一ヶ所そんな殺人を行う必要があったのかなと思えるところはありました。
登場人物たちのキャラクターがおもしろく、小説構成はよくできていると思います。

No.2 4点 蟷螂の斧
(2017/01/03 13:28登録)
裏表紙より~『愛称マルコ、マタイ、ルカの、それぞれ専門の異なる若く個性的な歴史学者と元刑事が、ともに暮らすパリのボロ館。その隣家に住む引退したオペラ歌手の婦人が怯えていた。ある朝突然、見知らぬ木が庭に植えられていたというのだ。ボロ館の四人がその木の下を掘るが何も出ない。そして婦人は失踪した。いったい何が起こったのか?気鋭の女流が贈る仏ミステリ批評家賞、ル・マン市ミステリ大賞受賞の傑作。』~
木が庭に植えられたという謎で引っ張っていきますが、ミステリー的には弱いかなといった感じです。ダイイングメッセージも出てきますがフランス語を知らないと無理!!!(笑)。2014年Twitter企画「フランスミステリベスト100」の7位にランクインした作品。ミステリー部分より4人のキャラクターや生活ぶりなどのユーモア部分が高評価の要因なのかもしれません。

No.1 5点 nukkam
(2012/02/16 18:40登録)
(ネタバレなしです) 1995年に発表されたミステリー第4作の本書では探偵役として3人の歴史学者(マルク、マティアス、リュカ)と元刑事でマルクのおじであるアルマンの4人が事件を調べます。本格派推理小説ではあるのですが直球勝負のポール・アルテと比べるとヴァルガスはプロットがかなりひねってある印象を受けます。この「ひねり」とは容疑が転々とするとか大胆などんでん返しとかのことではありません。サスペンス小説調になったりユーモア小説調(それもかなりひねくれた)になったり、挙句には謎解きを放棄しているように感じられたりと本格派推理小説のプロットから何度も脇道にそれています。結末はそれなりに意外性があると思うし謎解き伏線も張ってはあるのですが、この「ひねり」にどこまで読者が付いていけるかで評価が分かれそうです。

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