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ミステリの祭典

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殿下と七つの死体
エドワード皇太子(通称バーティ)

作家 ピーター・ラヴゼイ
出版日1991年03月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2016/06/16 15:25登録)
(ネタバレなしです) 1990年発表のバーティシリーズ第2作で作中時代を1890年にした本格派推理小説です。読みやすい文章に加えて次々に人が死ぬ展開なのでまず退屈はしません。ユーモアも豊かです。そして第22章冒頭では「読者への挑戦状」的なメッセージがあり、これは謎解き好き読者ならわくわくすると思います。ところが肝心の真相解明場面でのバーティの説明が意外と短く、推理のプロセスがはっきりしないのは残念です。

No.2 6点 あびびび
(2014/04/27 17:06登録)
直前に「キーストン警官」を読んだせいで、これもドタバタ中心の推理劇なのか…と思ったが、クリスティー張りの本格化で犯人にも意表を突かれた。ただ、最初からそういう目で見ていれば予想の範疇にある結末だったと思う。

この作家は多種多彩で油断できない。

No.1 6点 kanamori
(2011/11/05 18:07登録)
ヴィクトリア女王の長男、「わたし」ことエドワード皇太子(通称バーティ)を探偵役?に据えた、文字どおりのヴィクトリア朝ミステリ。
同じヴィクトリア朝ミステリでも、クリッブ&サッカレイ巡査シリーズが当時の庶民の娯楽・風俗を背景にしているのに対し、本シリーズは王室や貴族の生態を描いています。王室をジョークのネタにすることには寛大なお国柄ゆえ、バーティ殿下の恐妻家&猟色家ぶりが一人称で面白可笑しく語られる。
地方領主である若い未亡人が主催する狩猟大会で殿下が取り組む殺人事件は、クリスティ某作へのオマージュを思わせ、シリーズ3作のなかではミステリ度が高いと思う。

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