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ミステリの祭典

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要介護探偵の事件簿
岬洋介シリーズ/改題・加筆『さよならドビュッシー前奏曲 要介護探偵の事件簿』

作家 中山七里
出版日2011年10月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 ボナンザ
(2019/03/06 22:44登録)
タイトルを見たときに岬って要介護なのか・・・と思ったが違いました。
作者らしい軽快な読み応えの短編集。

No.2 6点 E-BANKER
(2012/09/08 22:30登録)
デビュー作「さよならドビュッシー」に登場する玄太郎じいちゃんを探偵役とする連作短編集。
「安楽椅子型探偵」ならぬ、「車椅子型探偵」としてハチャメチャな探偵振り・・・

①「要介護探偵の冒険」=相手は最初から何と「密室殺人事件」。販売前の建売住宅という舞台設定らしいトリックではあるが、真犯人もサプライズ感あり。
②「要介護探偵の生還」=話は前後するが、本作が①の前で「玄太郎最初の事件」とでもいうべきもの。リハビリ施設で繰り広げられる美談が実は・・・という展開。脳梗塞を患いながら奇跡の復活を遂げた玄太郎じいさんの不屈の精神に拍手!
③「要介護探偵の快走」=これはもちろん「回想」のもじりだろう。高齢者を次々に襲う暴力犯に対峙する玄太郎だが、実は正体は意外な人物・・・っていうのは分かりやすい展開かな。
④「要介護探偵と四つの署名」=今回は何と銀行強盗に巻き込まれ、人質になってしまう玄太郎。でも、そこは「人生の経験値」が違う、というわけで、逆に犯人たちを最後には懐柔してしまう。たった1つの事象から意外な黒幕の存在をほのめかすプロットは良い。
⑤「要介護探偵最後の挨拶」=これが本当に「最後の事件」になってしまう・・・(「さよならドビュッシー」を読まれた方なら分かるが)。そして、「さよなら・・・」で探偵役を務める天才ピアニスト・岬洋介が玄太郎とタッグを組み、難事件を解決する。このトリックは今まであまりお目にかかったことない斬新なもの(飲むんじゃないからね・・・)。

以上5編。
出来の良い作品集。
何より「玄太郎じいさん」のキャラクターが秀逸。本作だけでは実にもったいない。
自身の経験値を背景に、些細な事象から事件を紐解くという見せ方もなかなかで、作者の「うまさ」を感じさせる。
トリックは既視感のあるものもあるが、⑤などは使い古された毒物をうまい具合に処理している。
読んで損のない作品という評価でいいんじゃない。

No.1 6点 kanamori
(2011/12/03 18:18登録)
下半身が不自由な車椅子の老社長が探偵役を務める連作短編集。
不動産会社を一代で興し名古屋の政財界で絶対的な影響力を持ちながら、警察や権力に対して反骨精神旺盛なこの主人公・香月玄太郎がなかなか面白い。ミステリとしては独創性に欠けるかなぁと思いつつ、キャラクター小説として楽しめました。
収録作のなかでは、銀行強盗の現場に巻き込まれる第4話「要介護探偵と四つの署名」が個人的にイチオシです。
主人公の玄太郎や介護士のみち子さんなど、登場人物の何人かは「さよならドビュッシー」からのスピン・オフですが、そっちを読んでおくと最終話「最後の挨拶」の趣向がより効いてきます。

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