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ミステリの祭典

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探偵術マニュアル

作家 ジェデダイア・ベリー
出版日2011年08月
平均点5.33点
書評数3人

No.3 5点 YMY
(2024/02/13 22:23登録)
幻想小説にミステリの意匠を凝らした、といった風の小説である。奇妙な街にそびえる探偵社にまつわる奇妙な事件は、イタロ・カリヴィーノが基本設定を考えたと言われても違和感がないほど夢幻的。
ただし野放図にイマジネーションを垂れ流さず、風呂敷も制御可能な範囲で広げるにとどめる辺り、ミステリとして締めるべき所をきっちり締めてきて、なかなか侮れない。

No.2 5点 八二一
(2020/02/13 20:08登録)
めくるめくイマジネーションの妙。愛すべきキャラクター、怪奇で幻想的な世界観。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」のころの村上春樹が書いたようなミステリ。

No.1 6点 kanamori
(2011/10/14 18:28登録)
大手〈探偵社〉に務める裏方の記録員アンウィンは、ある日突如探偵への昇格を命じられ、マニュアル本と眠り病の女性助手とともに奇々怪々な事件の迷宮へと足を踏み入れる。-------これは粗筋紹介からは想像がつかないトンデモ本、不条理小説でした。
いってみれば「不思議の国のアリス」(=読んだことないけど)の世界観で「木曜日の男」(=読んだけどよく分からなかった)風のテイストという読後感。文章は読みやすいのに、夢と現実が交錯するファンタジー風のプロットが難解で、読む者を迷宮に誘います。
個人的な嗜好からは外れた作風ですが、今年の問題作の一つに数えられるのは間違いないでしょう。

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